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【眼科医監修】放置していても大丈夫?ものが二重に見える『複視』とは

【眼科医監修】放置していても大丈夫?ものが二重に見える『複視』とは

1つのものが二重に見えるようになる『複視』という症状は、脳神経や目の筋肉などに異常が起きることで発生するものです。複視の原因はさまざまですが、命にかかわる病気が原因となっている可能性も……。

今回は複視の原因治療法などについて解説していきます。

複視とは?原因は見え方によって異なる

複視には、片方の目だけで見たときにものが二重に見える『片眼性複視』と、両方の目で見たときにものが二重に見える『両眼性複視』があり、それぞれ発症原因が異なります。

片眼性複視の主な原因は以下のとおりです。

●レンズの役割を果たす目の水晶体ににごりがある(白内障)
角膜の形状に異常がある(本来なら丸い角膜が円錐形になる『円錐角膜』など)
●乱視などの屈折異常

複視の中でもより起こりやすいのは両眼性複視で、ものを見たときのダブりは両方の目で見たときのみ起こり、片目をつぶると正しく1つに見えます。両眼性複視の主な原因は以下のとおりです。

●目を動かすはたらきをしている脳の3つの神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)に影響が出る場所に、腫瘍や血栓ができている
頭にけがをしたとき、脳腫瘍、脳動脈瘤(脳の中の血管にこぶができたもの)、などが原因となります。

●眼筋(ものを見るときに使う目の6つの筋肉)に障害が起きている
次のような病気が原因として考えられます。
・重症筋無力症……筋肉の動きが衰えていく難病。自己の免疫機能によって炎症や神経障害を起こしてしまう自己免疫性疾患のひとつ
・甲状腺眼症……甲状腺機能の異常により、目やまぶたの動きの異常、眼球突出などが起こる
など

●目の周りに骨折などのけがを負っている
●目の周りに腫瘍がある

複視になっているかどうかを確認する方法は?

1つのものが2つに見える(二重に見える)というより3つや4つに見えている場合は、乱視、近視、遠視などの屈折異常が原因でピントがぼけている可能性があります。ピントがぼけているかどうかは、片目を隠してものを見てみることでわかります。

片目ずつ見たときに、複数に見えていた像が消えてものがはっきりと見える場合は、両眼性複視です。両眼性複視では、眼筋の問題よりも脳神経に異常がある場合が多いようです。

特に高齢者では、糖尿病や高血圧などの持病がある方も多く、血栓ができやすく、リスクが高い状態です。

両眼性複視の症状が見られたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。目の異常以外にもさまざまな疾患が疑われることから各種検査を必要とする場合があるため、受診する場合は、総合病院の眼科にかかるのがよいでしょう。

一方で、片目を隠したときにぼやけた感じが変わらず、ものがダブって見えている場合は、片眼性複視といえます。

片眼性複視では乱視などの屈折異常の可能性が高いですが、メガネをかけてもよくならない場合は、白内障加齢黄斑変性症(目の奥の黄斑という部分に異常が起きて視力を障害する病気)などの目の病気も原因として考えられます。

また、ぼんやりしているときに起こる一過性の複視もあります。この場合は、左右の目が少し外側を向いている『外斜視』であることが多いです。自分では判断がつきにくいときは、ためらわず眼科を受診しましょう。

早急に治療が必要な場合も……複視の治療法について

すぐに治療が必要なケースが多いのは特に両眼性複視で、片眼性・両眼性それぞれの具体的な治療法には以下のようなものがあります。

●両眼性複視の治療法

・目を動かす脳の神経に異常がある場合

目を動かす脳神経のうち、動眼(どうがん)神経はもっとも重要で、6つの眼筋のうちの4つを動かす役割があります。この動眼神経に麻痺が見られ、麻痺が強い場合は、できるだけ早く精査し、原因に応じた治療を行います。

・脳動脈瘤や脳腫瘍が原因の場合

脳動脈瘤は破裂すると命にかかわるため、すぐに手術が必要です。脳腫瘍がある場合も、取り除く手術を行います。

・脳梗塞が原因の場合

血栓(血のかたまり)により脳の血管がつまる脳梗塞は、放置すると脳だけでなく、全身のあらゆる箇所で梗塞が起きやすくなり重症化する可能性があります。そのため、すぐに点滴や服薬などの適切な処置が必要です。

・眼筋に何らかの障害がある場合

障害の原因となっている病気にアプローチするほか、眼筋を付け替えて位置を変える手術を必要とするケースもあります。

・目の周りの腫瘍や外傷が原因の場合

目の周辺に腫瘍がある場合、必要があれば取り除く手術を行います。骨折などの目周辺の外傷が原因の場合も、けがの程度によっては手術が必要です。

●片眼性複視の治療法

片眼性複視では、目の屈折異常が原因となっているケースが多く、自然に改善していくような一時的な複視であれば、治療を急ぐ必要はありません。

複視の症状がなかなか改善しなかったり、原因がわからなかったりする場合は、プリズムメガネという特殊なメガネで目に入る光を曲げ、複視の解消を試みる方法もあります。

複視は一過性であれば問題のないことも多いですが、原因によっては治療が長くかかることも、放置することにより命にかかわることもあります。また、視界がよくない状態では、思わぬ事故に巻き込まれることもあるかもしれません。

複視の症状がくり返し起こったり、なかなか改善が見られなかったりするようなら、早めに医療機関を受診してください。

【眼科医】岡野先生からのコメント
複視は、眼精疲労が原因などの場合を除き、基本的に眼科での治療が必要になります。
治療しないと多くの場合は自然治癒を期待できませんので、早めの眼科受診をお勧め致します。

 

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〈参考〉
日本眼科学会:目の病気 複視http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_w-vision.jsp
複視 – 20. 眼の病気 – MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/眼疾患の症状/複視
ものが2つに見える | 川本眼科(名古屋市南区)
http://www.kawamotoganka.com/tayori/1018/
物が二重に見える、治療法は 複視、目以外の病気可能性も | 医療 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/297278
複視 – 徳島県医師会Webサイト
http://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/171-3974
ダブって見える(複視) | さいたま市大宮駅近郊のはんがい眼科|白内障・緑内障・網膜剥離手術
https://hangai.org/symptoms/fukushi/
[103] 脳梗塞が起こったら | 脳 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/brain/pamph103.html#m6

監修・岡野 敬 [スマイル眼科クリニック(青葉台) 院長]
杏林大学医学部卒。大学病院や眼科医院で外来手術と手術を担当したのち、2003年1月より横浜市青葉区青葉台にあるスマイル眼科院長に。専門は前眼部疾患、緑内障、アレルギーなど一般眼科外来とコンピュータ支援医療。プライベートではワインとコーヒー、それに料理をこよなく愛する3児のパパ。

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目の健康を過信してはダメ!男性がかかりやすい目の病気まとめ

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女性よりも男性がかかりやすい病気の代名詞といえば「痛風」ですが、実は「目」にも男性がかかりやすい病気が存在します。今回は、働き盛りの男性は特に用心したい、3つの眼疾患と予防策をお送りします。

発症リスクは女性の4倍!目の奥に激痛が走る『群発頭痛』

目に現れる症状の裏には、さまざまな病気が潜んでいる可能性があります。男性に多い目の病気のトップバッターは、『群発頭痛』です。

群発頭痛とは「目の奥をえぐられるような」とたとえられる激痛をはじめ、目が充血する、涙と鼻水が大量にあふれ出る、といった症状が現れる病気です。症状が1~2ヶ月の期間に集中して毎晩のように起こることから、この期間は「群発期」と呼ばれています。

一度限りの群発期で治まるケースは少なく、半年から2~3年おきのペースで群発期をくり返すケースが多いそうです。

女性に多く見られる片頭痛に対して群発頭痛は20~40代の男性に多く、その発症率は女性の4倍に上ります。

気になる発症原因は、目につながっているけい動脈の拡張が引き金となって、激痛を起こすと考えられています。このけい動脈の拡張は涙線をコントールしている自律神経も刺激するため、目が充血する、涙や鼻水が止まらないといった症状も一緒に現れてしまうのです。

群発頭痛は、通常の頭痛薬を飲んでも痛みが治まらないのが特徴です。群発頭痛が疑われる場合はすぐに、神経内科や脳神経外科を受診しましょう。

また、群発頭痛は飲酒喫煙が危険因子だといわれています。アルコールはほどほど(群発期の飲酒は避ける)に、タバコは禁煙することを強くおすすめします。

30~50代の働き盛りに多い『中心性漿液性脈絡網膜症』

続いてご紹介する病気は『中心性漿液性脈絡網膜症』です。長い病名ですが、「ちゅうしんせい・しょうえきせい・みゃくらく・もうまくしょう」と読みます。

ものを見るために重要な働きをしている目の「黄班部」に水が溜まり、軽い網膜剥離を引き起こす目の病気です。代表的な症状などについては、以下の記事をご覧ください。

働き盛りの男性に多いこの病名、読めますか?『中心性漿液性脈絡網膜症』とは

明確な発症原因はまだわかってはいませんが、過労ストレスが引き金になることが多く、ステロイドの副作用として発症するケースも報告されています。

とりわけ30~50代の働き盛りの男性に多く見られることから、仕事や人間関係などで無理を重ねた体に起こりやすい病気といわれています。

中心性漿液性脈絡網膜症は、発症から半年くらいの間に自然治癒することが多い一方で再発しやすく、「視野のゆがみ」などの後遺症が出ることがあります。

再発をくり返す場合はレーザー治療と薬物療法のほか、保険適用外の光線力学療法(PDT)、抗VEGF療法といった選択肢もあります。

何よりも一番の予防法は、ストレスの軽減心身の休息です。自分なりのストレス解消法を見つけ、働きづめの心と体を労わってあげましょう。

日本人の中途失明原因第4位!中年以降の男性に多い『加齢黄班変性症』

最後は目ディアでも何度か取り上げたことがある『加齢黄班変性症』です。前出の中心性漿液性脈絡網膜症と同じく網膜の中にある黄班部が障害される病気で、「ものがゆがんで見える」「視野の中心がぼやける」「視野の中心が黒ずむ」が主な症状です。

病名からもわかるように、発症原因のひとつは「加齢」にあります。50歳以降の男性が発症しやすく、年齢が上がるにつれて発症リスクもアップします。

また、治療せずに放置してしまうと失明に至る病気で、日本における中途失明原因の第4位となっています。加齢黄班変性症を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか?3つのポイントをご紹介します。

1.禁煙……タバコが加齢黄班変性症の危険因子であることは多くの研究で立証されています。

2.紫外線対策……紫外線は黄班部にダメージを与えるため、UVカットサングラスや帽子、日傘などで目を守りましょう。

3.食生活の改善……抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE)、ルテインを多く含む緑黄色野菜、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸をバランスよく摂ることで、高い予防効果が期待できます。

「眼科に行くのは目の痛みや充血が起きたときだけ」という方は多いかもしれませんが、目の病気には初期症状とはっきりわからないものも少なくありません。気づいたときにはかなり進行しているのです。少なくとも年に1回は、眼科の検診を受けるようにしましょう。

▼目の病気についてさらに詳しく知りたい方はコチラ
加齢黄斑変性とは?(ロート製薬 商品情報サイト)
《医師監修》欧米では失明原因の第1位!日本人にも増殖中の『加齢黄斑変性』ってどんな病気!
中高年になると増える目の病気『加齢黄斑変性症』セルフチェック
《医師監修》働き盛りの目を襲う! 男性に多い『中心性漿液性網脈絡膜症』とは?

〈参考〉
群発頭痛とは?目の奥が激しく痛む症状と原因まとめ NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_729.html
群発頭痛って? いろんな頭痛 スッきりんのバイバイ頭痛講座
https://www.sukkirin.com/otherheadache/cluster.html
男性の中年以降に多く発症する目の病気 「加齢黄斑変性」とは NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_521.html
中心性漿液性脈絡網膜症
http://www.skk-health.net/me/08/index.html
『くわしく知りたい目の病気』NHK出版
『眼科医が教える 目の衰え・疲れ目がスッキリする本』吉野健一著/PHP研究所

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