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日食の太陽、直接見てはダメ!目を傷つける『日食網膜症』に要注意

日食の太陽、直接見てはダメ!目を傷つける『日食網膜症』に要注意

日本では数十年に一度しか見られないといわれる日食。いつもさんさんと輝いている太陽が、月の陰に隠れる姿にはロマンを感じます。日頃そこまで天体観測に興味のない方でも、「せっかくだし、ちょっと外へ出て観察してみようかな?」という気持ちになることもあるかもしれません。

しかし気をつけたいのは、月や星の観察と違って太陽は直接肉眼で見てはいけないということ。しかもそれは、ただまぶしいから注意すべきだというわけではありません。『日食網膜症(にっしょくもうまくしょう)』という病気にかかるのを防ぐためなのです。

この日食網膜症という病気、2012年の皆既月食観測にあたって話題にもなったため、言葉だけは聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。今回は、この日食網膜症について解説しつつ、太陽を観察するときの注意点正しい方法についてお伝えします。

『日食網膜症』って、どんな病気?

日食網膜症_02

●『網膜』は、フィルムの役割を果たす目の中の部位!

日食網膜症についてご説明する前に、まず網膜(もうまく)と呼ばれる目の構成要素について解説します。

網膜は、カメラでいえばフィルムと同様のはたらきをする部位であり、水晶体(レンズ)を通った光が焦点を結ぶ場所です。眼球の後ろ側に位置し、成人の場合、厚さは0.2mmから0.3mm、直径は40mm程度の小さな器官です。規則正しく並ぶ視覚細胞から成る面状の感覚器で、視覚的な映像を神経信号に変換するはたらきがあります。

つまり、網膜が正しく機能しないと、目の前に見えているはずの映像が脳に伝わらず、脳は「見えている」という判断を下すことができないのです。

●日食網膜症になる原因とは?

私たちの目はふだんの生活の中でもつねに光にさらされており、視覚的な映像は光の情報として網膜で変換されます。光は網膜にとってなくてはならない情報源ですが、同時に光には網膜を傷つける力もあるのです。

網膜が太陽の強い光によって傷つく病気が『日食網膜症』です。太陽が含むさまざまな波長の可視光線の中でも波長の短い青色光(ブルーライト)が主な原因となり、網膜がヤケド状態になったり、目の中の視色素から活性酸素などが生じたりする状態を指します。

ブルーライトと聞くと、スマホやパソコンなど電子機器から発せられている光だと思っている方も多いかもしれませんが、実は太陽光にも含まれているのです。

●日食網膜症の主な症状

日食網膜症は、段階に応じてさまざまな症状を引き起こします。

軽度であれば、まぶしさ、充血、目の痛みや熱さ、疲労感、めまいなどの症状が見られます。こういった症状は観察中に感じられることもありますが、観察後すぐ~数日後以降と、時間をおいて表れる場合もあるようです。

なお日食網膜症には特効薬や治療法はなく、治療を行うというよりは、自然治癒を待つのがオーソドックスな対処法になります。

しかし、損傷の程度によっては、視力が低下したり、視野の中央が見えなくなる『中心暗点』が残ったりすることもあります。また、程度が重いと、網膜細胞が死んでしまう(網脈絡膜萎縮)、網膜の中心部分に穴が開く(黄斑円孔)といった高度の障害につながる可能性もあります。

最悪の場合、一生視力を回復できないおそれがあるので、必ず正しい方法で観察するようにしてください。

太陽を正しく観察する方法!

日食網膜症_03

【1】専用の器具を使う

ここまでお伝えしている通り、日食を直接(肉眼で)観察するのは絶対にしてはいけないことです。日食を観察するためには、グラスや遮光版などの専用器具があります。また、これらの器具を使う場合も、長時間続けての観察は控えましょう。

なお、以下に挙げる日用品で代用するのもNGです。

・一般的なサングラス、ゴーグル
・色つきの下敷き
・CD
・フィルムの切れ端

黒く塗っているものであれば必ず観察に使えるというわけではありません。専門家の指導のもと作られている器具や、適切な処置が施された器具を用いるようにしてください。

【2】間接的に見る

日食を見るためのもう1つの方法として、影を利用して間接的に太陽の形を観察する方法があります。ここでは、最も簡単に日食を観察する方法をご紹介します。

まず、光を通さない厚紙やうちわなどのシートを準備します。次に、そのシートに小さな穴を開けて日食の光を当てます。その陰を観察すると、穴の部分の形がきれいな丸ではなく、三日月形などになっているのが確認できます。これが、欠けた太陽と同じ形、ということになります。

こんな場合はご用心!日食網膜症になりやすいパターン

最後に、日食網膜症になりやすい人やケースについて説明します。

乳幼児や小児の眼球は透過性が高く、日食網膜症になりやすいといえます。また、子どもは、器具の使い方を間違えてしまったり、まぶしいと感じてもそれを表現しなかったりする場合もあります。

正しく観察できるよう大人の方が付き添うのがベターです。加えて、白内障で眼内レンズを装着している人も注意が必要です。

万一異常を感じたら、すみやかに観察を中止しましょう。症状は、上でもお伝えした通り時間をおいて表れる場合もあります。おかしいなと思ったら、必ず眼科を受診するようにしてください。

日食網膜症_04

日食を直接見てはいけない理由、理解していただけたでしょうか?

日本で次に見られる日食は2019年1月。部分日食ではありますが、全国的に観察できるといわれています。そのときは、専用の器具を正しく使って、神秘的な日食の姿を記憶に残してはいかがでしょうか。

▼ちょっと気になる目の病気・トラブル…あわせて読んでおきたい記事はこちら!
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目が発信する危険信号を見逃さないで!眼底出血はさまざまな病気を知らせる重要な「サイン」だった

〈参考〉
日食 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%A3%9F
実はとってもレア現象!金環日食とは? – ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/201702/210055/
網膜 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%B2%E8%86%9C
日食網膜症(にっしょくもうまくしょう)とは – コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E6%97%A5%E9%A3%9F%E7%B6%B2%E8%86%9C%E7%97%87-189329
可視光線 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%85%89%E7%B7%9A
日食網膜症|太陽観察は危険|日食観察
http://eclipse-navi.com/kansatsu/kiken/moumakusyou.html
網膜の病気の基礎知識 – 20. 眼の病気 – MSDマニュアル家庭版
http://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/網膜の病気/網膜の病気の基礎知識
目のやけど 日食網膜症 | ニュース&トピックス | ケータイ家庭の医学
http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/121140/
2012年5月21日 金環日食 | 観察方法
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/obs.html
日食・月食・惑星現象一覧 | 国立天文台(NAOJ)
http://www.nao.ac.jp/astro/phenomena-list.html

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