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【眼科医監修】目薬の「防腐剤フリー」を盲信してない? 防腐剤が入っている本当の理由とメリットを学ぼう!

【眼科医監修】目薬の「防腐剤フリー」を盲信してない? 防腐剤が入っている本当の理由とメリットを学ぼう!

出典:Health – Pinterest

最近、防腐剤の入っていない目薬を選ぶ方が多くなってきました。近年では防腐剤フリーの商品が数多く流通しており、以前と比べると薬局で手軽に購入できるようになったことも、ユーザーを増やしている理由のひとつです。

しかし、目薬に防腐剤が入っていないことで起こる、さまざまな変化もあります。そこで今回は、目薬の防腐剤は何のために入れられているのかそれぞれの利点や欠点をまとめてみました。

もはや日常生活に必要不可欠な目薬。安全に使うためにはどれがいいの?

目薬は大切な目に直接さす医薬品ですから、安全性について神経質になるのは当然です。また、疲れ目やドライアイなど目薬が必要な症状を抱えた方にとって、目薬は生活になくてはならない必需品でもあります。

「防腐剤フリー」の目薬を手にとる人が増えていますが、防腐剤が添加されていない目薬は細菌が繁殖するため、使用期限がどうしても短くなってしまいます。そのため、今も防腐剤の入った目薬は薬局に並ぶ主要な商品となっているのです。

目薬に使用されている防腐剤とは、どのような成分なのでしょうか?目薬の成分表示でよく見かける防腐剤に「塩化ベンザルコニウム」「クロロブタノール」「パラベン」などがあります。

このなかで「緑膿菌(りょくのうきん)」をはじめとした、菌類への殺菌効果が最も高いのが塩化ベンザルコニウムという成分です。効果は高いほうから、塩化ベンザルコニウム>クロロブタノール>パラベンの順になります。

塩化ベンザルコニウムは“逆性石けん”としても知られており、高濃度で使用すると角膜を傷つける可能性が高いといわれています。

このような防腐剤入りの商品を使用したくない方は、防腐剤フリーの商品を選ぶようにしましょう。しかし、前述したように、防腐剤フリーの商品は開封後の傷みが早いのが特徴です。

使用期限を過ぎた目薬を使うと、細菌で汚染された薬液を点眼してしまう可能性が高くなります。そのため、小分けタイプの目薬の場合でも、開封後10日を過ぎたら中身が残っていても必ず捨てましょう

防腐剤は安全な製品のために必要な場合もある

防腐剤が入っているからといって、何も悪いことばかりではありません。防腐剤と聞くと体に悪そうなイメージがあるかもしれませんが、目に有害な菌の繁殖を抑えてくれるのですから、そういう意味では立派な有効成分といえるのです。

また点眼薬の剤形は、薬用成分の水に対する溶解性と、水溶液の中での安定性に応じて決定されます。目薬には薬用成分のほかにもさまざまな添加物が配合されており、その役割もさまざまです。

薬用成分が水に溶けにくい場合は「可溶化剤(かようかざい)」、涙液の浸透率を生理的な状態に近づけるためには「等張化剤(とうちょうかざい)」、薬効の持続性を高めるためには「粘稠化剤(ねんちゅうかざい)」などが用いられます。

防腐剤もそうした剤形のひとつです。防腐剤フリーと書かれた目薬のなかにも、小分けタイプや通常サイズの製品には「ホウ酸」などの効果の低い防腐剤が使用されていることが多くあります。


出典:When Cataracts Can Be Melted By Eye Drops – Heals Them

そうしたものまで避けるとなると、購入する際の選択肢は「1回使い捨てタイプ」の目薬しか残されていません。

しかし、使い捨てタイプの目薬はどうしても値段が割高のため、金銭的負担がネックとなります。また、保険診療の場合は、さまざまな制約から使い捨てタイプの目薬が使用できないケースも多いのです。

目薬は自分にとって最適なものが一番。「防腐剤=危険」ではありません!

塩化ベンザルコニウムという防腐剤は、タンパク質を変性させる作用を持っています。しかし、角膜が若く健常な人であれば、過剰に使用しない限り、一般的な目薬の濃度で問題を起こすことはありません。

最近の目薬は『角膜上皮障害』を避けるため、塩化ベンザルコニウムの濃度をギリギリまで抑えているものも数多く販売されています。

ただし、目薬をさすのが高齢者であったり、ドライアイの患者だったりする場合には、塩化ベンザルコニウムが含有されている目薬は避けたほうが無難かもしれません。


出典:Suffering from Dry Eye? – My Beverly Hills

なぜなら、目薬は長期間さし続けなければならないことが多く、特にドライアイ患者の場合は健康な人と比べて涙の量が少ないため、本来なら涙で洗い流せる防腐剤が目に留まり続ける結果になるからです。

また、コンタクトを使用している方も、防腐剤入りの目薬を使うと防腐剤がレンズに吸着してしまうので、避けたほうが無難でしょう。

このように目薬は、さまざまな長所・短所を考慮して選ぶことが必要になります。症状や価格など、目薬を選ぶ理由は人によってさまざまですから、安心な容量、用法を守って使用することが何よりも大切です。

くれぐれも、使用期限の過ぎた目薬は使用しないようにしてくださいね!

【眼科医】川島先生からのコメント
さまざまな目薬が市販品で手に入りますが、くれぐれも使用方法、使用頻度を守って使用してください。1回に何滴も入れたり、1日に20回など高頻度に使用したりすることで、防腐剤の影響もより強くなることが懸念されます。

 

▼目薬は正しく容量・用法を守って!知っておきたい目薬のお話
防腐剤について(ロート製薬 商品情報サイト)
コンタクト装着時NGの目薬! 眼科医が教える“知って納得”のワケ
実はこんなに奥深い! 知られざる「目薬の歴史」をひもといてみた
目薬で痛みを感じたら!痛み別に見る「隠れた目のトラブル」
目をパチパチさせるのはNG!? 目薬の正しいさし方をマスターしよう

【参考】
一般社団法人 日本眼科用剤協会 – 医療用点眼剤の製剤設計・製造
http://gankayozai.jp/manufacture/index.html
点眼剤一覧 – 管理薬剤師.com
http://kanri.nkdesk.com/drags/tengan.php
川本眼科 – ベンザルコニウム
http://www.kawamotoganka.com/tayori/1131/

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ライターキネコ

『目ディア』をはじめ医療系コラムなどでの執筆、キュレーションサイト、エンタメ系メディアを中心に活動しているフリーライターです。得意分野は映画やアート、歴史、科学系のコラムなどさまざま。“広く浅くもなく”をモットーに、インターネットという名のヴンダーカンマーを旅しています。

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久喜かわしま眼科 院長川島 晋一先生

網膜硝子体疾患、緑内障、白内障など一般眼科外来及び眼科手術全般に豊富な経験を持ち、丁寧な手術に定評がある。穏やかで相談しやすく適切な診療に老若男女ファンが多い。

目ディア

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