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浦島太郎は目の病だった? 『フォークト―小柳―原田病』という疾患

浦島太郎は目の病だった? 『フォークト―小柳―原田病』という疾患

昔話の『浦島太郎』のことはご存じでしょう。しかし、あの有名な浦島太郎が『フォークト―小柳―原田病』という聞き慣れない病にかかっていたという説があることは、あまり知られていないと思います。

そもそも『フォークト―小柳―原田病』とは、どのような病なのでしょうか?そして浦島太郎との関係は?それらについてまとめてみました!

実は全身性の免疫疾患?『フォークト―小柳―原田病』とは

『フォークト―小柳―原田病(以下、原田病)』は、「ぶどう膜炎」という項目に分類される疾患で、メラノサイト(色素細胞)に関する自己免疫疾患と考えられています。

メラノサイトはメラニン色素を産生することで、紫外線による体細胞の損傷を防ぐ機能を持っています。また、ぶどう膜は眼球内壁の中層にあたる「脈絡膜(みゃくらくまく)」、カメラでいうピントと絞りを調整する「毛様体」、「虹彩」の総称です。

ぶどう膜には多くのメラノサイトが含まれています。私たちの瞳(虹彩の部分)が茶色に見えるのも、メラノサイトの影響によるものなのです。

浦島太郎と原田病_02

原田病は何らかの原因により、自己免疫機能がメラノサイトを異物だと判断し、攻撃を始めてしまう疾患です。ぶどう膜は網膜と広く接していることから“網膜剥離”を引き起こすことが多く、目の疾患と考えられがちですが、実は全身性の疾患であり、その影響はメラニンが含まれる組織全般に及びます。

例えば、髪の毛や皮膚、耳、髄膜などメラニンを多く含む組織では、免疫細胞の異常による影響が顕著に現れます。

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こうして『原田病』は発症します

原田病の症状は、大きく分けて「前駆症状(前兆となる症状)」、「初期症状」、「後期症状」となって現れます。

前駆症状

頭痛や発熱、めまいなどの感冒性症状、いわゆる“かぜ症状”が現れます。

初期症状

ぶどう膜炎による虹彩炎、視神経乳頭の浮腫(ふしゅ)、脈絡膜炎による網膜剥離の症状が現れます。これらを引き金とした視力低下、また、光に対して過敏になる「羞明(しゅうめい)」が現れることもあります。この頃にはメラノサイトの炎症が顕著となり、内耳が炎症を起こすと聴覚障害となって現れます

後期症状

網膜色素上皮の色素が失われることで、脈絡膜の透過性が増し、眼底が赤く透けて見える「夕焼け状眼底」という症状が現れます。角膜(黒目)の色素脱失に加え、皮膚から色素が失われる白斑(はくはん)、頭髪やまつ毛などの白変、脱毛が起こります。

また、メラノサイトは神経堤(しんけいてい)細胞から分化した細胞であるため、原田病は末梢神経を含む神経系が系統的に侵される疾患と考えることもできます。そのため、原田病の引き起こす障害は神経系の症状が現れたのちに、各所の色素脱失などの症状となって現れてくるのです。

『原田病』の治療とは?

原田病の治療には、メラノサイトを攻撃する免疫システムの反応を取り除くことが重要となります。

そのため原田病の初期治療は、免疫抑制および抗炎症作用のための全身的なステロイドの大量投与がおこなわれます。しかし原田病の前駆症状は放置していても回復するため、単なるかぜ症状として見過ごされることも少なくありません。こうしたステロイド治療は、1年以上の長期間にわたって必要となる場合もあるようです。

『原田病』と『浦島太郎』の関係って、どこにあるの?

では、原田病と「浦島太郎」の関係とは、どういうものなのでしょう?これまでの症状を見ていて、お気づきになった点はありませんか?
そう、原田病の症状は、いわゆる「老化現象」と類似する点が多いのです!

・網膜剥離による視力の低下→老視(老眼)を思わせる。
・内耳の炎症による聴覚障害→老人性難聴。
・角膜の色素脱失→老人環(ろうじんかん)。
・白斑や毛髪の白変、脱毛→老人性白斑、加齢による白髪、薄毛。

いかがでしょうか?いずれも数ヶ月をかけて進行しますが、これらの症状が半年程度の期間に立て続けに現れたとしたなら、誰もが急激に老化が進行してしまったと感じるのではないでしょうか。

浦島太郎と原田病_03

私たちの知る『浦島太郎』はもちろん昔話ですが、全国各地に逸話が残されており、なかには「実在の人物だったのでは?」という説まであります。そのなかで、もっともポピュラーなストーリーは、「亀を助けた浦島太郎が竜宮城から地上へ戻り、玉手箱をあけると煙が出てきて、お爺さんになってしまった」というものですよね。

この“一瞬で老人になってしまった浦島太郎”が、実は原田病にかかっていたのではないか、とする説があるのです。確かに、昔話やおとぎ話は、その背後に何らかの比喩(ひゆ)や暗喩(あんゆ)を含んでいることが少なくありません。

もっとも、こうした物語の“疾患的解釈”はルーツをさかのぼって考えるべきですから、本来なら『日本書紀』に登場する「瑞江浦嶋子(みずのえのうらしまのこ)」が原田病だったかを語るべきかもしれません。

「え?“瑞江浦嶋子”って誰?」そう感じた方は、一度検索して、お調べになってみてはいかがでしょうか。さらなるおとぎ話、神話の物語を知ることができますよ!

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【参考】
日本眼科学会 – 目の病気 フォークト―小柳―原田病
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/budo_harada.jsp
今日の臨床サポート – Vogt-小柳-原田病
https://clinicalsup.jp/contentlist/605.html
Hospitalist ~病院総合診療医~ – Vogt-小柳-原田病のReview
http://hospitalist-gim.blogspot.jp/2014/02/vogt-review.html
江口眼科病院 – ぶどう膜
http://eguchiganka.co.jp/kanjyasamahe/menociryoshuzyutu/budoumakuen/
脳科学事典 – 神経堤
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E5%A0%A4

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