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2億人を失明から救った奇跡の薬「イベルメクチン」と「オンコセルカ症」

2億人を失明から救った奇跡の薬「イベルメクチン」と「オンコセルカ症」

出典:EurActiv.com – Ivermectin: A Nobel Prize medicine inaccessible to the world’s poorest

昨年2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さんは、『イベルメクチン』という薬で数多くのアフリカの人々を救った功績が評価されました。それまでは「オンコセルカ症」と呼ばれる風土病により、年間数万人という人々が失明していたそうです。

「オンコセルカ症」とは、いったいどんな病なのでしょうか?

人を失明に至らしめる『オンコセルカ症』

オンコセルカ症は和名を『河川盲目症』といい、回旋糸状虫(オンコセルカ)による感染症、いわゆるフィラリアの一種です。
メスのブユが人を刺すことで感染しますが、感染経路は複雑で、まずブユが感染者の体を刺すことで、感染者の末梢血管で活動するミクロフィラリア(前期幼虫)を体内に取り入れるのです。ブユの体内に移動したミクロフィラリアは脱皮をくり返すことで感染幼虫にまで成長し、ここで初めて、ブユの口吻(こうふん)を通じてヒトの皮膚の刺入孔から感染します。
ヒトの体内に移動したミクロフィラリアは体内で成虫となり、皮下結節(こぶ)を作ると、この中で10~15年も生き続けます。その間、メスの成虫は1日に1,000匹のミクロフィラリアを産むといわれています。

イベルメクチン_02
出典:A-WOL | Anti Wolbachia Consortium

オンコセルカ症に感染すると、激しい痒みや発疹、瘢痕(はんこん)が起こります。また、皮膚が肥厚することで“巻タバコの巻紙”のような皮質になり、結節周囲では色素変化が生じて“ヒョウ肌”と呼ばれる状態になってしまいます。
そしてオンコセルカ症の特徴の1つである失明ですが、ミクロフィラリアが眼の中で死ぬことで炎症を引き起こし、激しい充血の後に角膜に白濁(はくだく)が生じて失明に至ります。
オンコセルカ症による失明は世界の失明原因2位となっており、1,800万人におよぶ年間感染者の内、27万人が失明するといわれてきました。

2億人を失明から救った「奇跡の薬」

大村智さんの開発した『イベルメクチン』は、まさにオンコセルカ症の特効薬として登場した「奇跡の薬」でした。
腸管糞線虫症(ちょうかんふんせんちゅうしょう)の経口駆虫薬であるイベルメクチンは、孵化前の卵に効果はありませんが、幼虫であるミクロフィラリアには高い駆虫作用を持っています。
しかし、オンコセルカ症が引き起こす症状のほとんどはミクロフィラリアによるもののため、体内のミクロフィラリアを死滅させることで、長期にわたってミクロフィラリアの発生を抑制することができるのです。

このイベルメクチンの原型となる物質を、大村さんは静岡県にあるゴルフ場の土の中から発見しました。
大村さんが見つけたのは、「ストレプトマイセス・アベルメクチニウス」と名付けられた放射菌の一種。その放射菌の中から「アベルメクチン」という化合物を発見し、それをもとに「イベルメクチン」が開発されたのです。
そしてこの薬の投与により、世界で1億数千万人の患者を数えたオンコセルカ症は劇的に減少し、今後10年以内には撲滅できるという見通しが公表されています。

アフリカだけじゃない!意外と身近だった『イベルメクチン』

まさに奇跡の薬であるイベルメクチンですが、実は意外と私たちの身近で役立っていることをご存じでしょうか?
現在、イベルメクチンは『ストロメクトール』という商品名で日本でも発売されており、沖縄や奄美大島で見られる糞線虫(ふんせんちゅう)という寄生虫の駆虫薬として使用されています。
また、ヒゼンダニというダニの寄生によって起こる、「疥癬(かいせん)」という皮膚感染症に特効的に作用する薬としても積極的に使用されています。疥癬は高齢者ほど症状が重篤化するといわれており、高齢化が進む日本にとってもまさに夢のような薬だったのです。

イベルメクチン_03

そして、愛犬家の方にとっても、イベルメクチンは身近にお世話になっている薬です。実は、犬のフィラリア予防薬として日本でもっとも使用されているのもイベルメクチンなのです。
思い当たる方は、愛犬のフィラリア予防薬として使用しているお薬の成分などを調べてみてください。主成分としてイベルメクチンが使用されていることがわかるかもしれません。また近年では、イベルメクチンが「胆管がん」にも効果が認められたという研究結果が発表されました。
大村さんは、アフリカのみならず、まさに世界中の人たちに素晴らしい恩恵を与えてくださったんですね!

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【参考】
メルクマニュアル医学百科 – オンコセルカ症
http://merckmanuals.jp/home/感染症/寄生虫感染症/オンコセルカ症.html
Eisai ATM Navigator – 河川盲目症
http://atm.eisai.co.jp/ntd/onchoserciasis.html
Yahoo! Japan – 科学者、二億人を救う。「元高校教師」が生み出した薬
http://ghitfund.yahoo.co.jp/interview_04.html
大村さん開発のイベルメクチン、胆管がんに効果 九大
http://www.asahi.com/articles/ASHDL5SB5HDLTIPE027.html

文/キネコ
みんなに質問!目のこと教えて☆
Q1 / 5

住んでいる地域によって呼び名が違う、ものもらい・めばちこ。以下の中で、ものもらいの呼び名ではないものが1つだけあります。それはどれでしょうか?

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Q2 / 5

毎年ものもらいになっていますか?

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Q3 / 5

ものもらいになりやすいのはいつ頃ですか?(複数回答可)

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Q4 / 5

ものもらいになったら、どうしていますか?

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Q5 / 5

ものもらいに効く市販の目薬として、速効性と抗菌成分サルファ剤の効き目の持続性にこだわってつくられた「ロート抗菌目薬」があることをご存知でしたか?

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結果
Q1

住んでいる地域によって呼び名が違う、ものもらい・めばちこ。以下の中で、ものもらいの呼び名ではないものが1つだけあります。それはどれでしょうか?

  • おきゃくさん
    16%
  • おひめさん
    37%
  • おとのさん
    21%
  • おともだち
    26%
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Q2

毎年ものもらいになっていますか?

  • はい
    17%
  • いいえ
    83%
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Q3

ものもらいになりやすいのはいつ頃ですか?(複数回答可)

  • 花粉の時期
    33%
  • 梅雨の時期
    50%
  • 夏の暑い時期
    0%
  • 冬の寒く乾燥した時期
    0%
  • 季節の変わり目(冬から春、春から夏、夏から秋、秋から冬など)
    50%
  • GW、夏休み、冬休み、春休みなど長期休みの時
    17%
  • 季節に限らず、疲れている時
    50%
  • 季節に限らず、風邪気味など、体調を崩している時
    33%
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Q4

ものもらいになったら、どうしていますか?

  • 病院に行く
    40%
  • 市販の目薬を買う
    60%
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Q5

ものもらいに効く市販の目薬として、速効性と抗菌成分サルファ剤の効き目の持続性にこだわってつくられた「ロート抗菌目薬」があることをご存知でしたか?

  • はい
    60%
  • いいえ
    40%
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つら~い痛みや腫れをしっかり抑えてくれるわよ☆

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※質問や結果がうまく表示されない場合は、ページを更新してください。

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iPS細胞で目の治療!?
『加齢黄斑変性』に希望を与える再生医療とは?

iPS細胞で目の治療!? <br />『加齢黄斑変性』に希望を与える再生医療とは?

山中伸弥博士のノーベル賞受賞により、一気に注目を集めたiPS細胞。そのiPS細胞を使った目の手術がおこなわれたことをご存じでしょうか?
iPS細胞を使った臨床研究として世界初の事例となったのは、欧米での失明率1位の難病『加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)』の手術でした。今後の進展が待たれるiPS細胞の研究を、手術内容を交えてご紹介します。

『加齢黄斑変性』ってどんな病?

『黄斑』とは網膜の中心部にある1.2mmから2mmほどの小さな部位で、この部位には色覚の基礎となる錐体細胞が高密度に集まっています。これらの黄斑組織は固視点からの光が集まる部位でもあり、『キサントフィル』という黄色の色素が集まることから『黄斑』という名前がつけられました。
その中心に当たる組織は「中心窩」と呼ばれており、視覚的な情報をあつかうすべての活動において、もっとも重要な領域であるといわれています。中心窩を含む黄斑は、文字通り網膜の中心に位置する重要な“コア”といえるのです。

画像2
出典:MacuHealth

『加齢黄斑変性』とは、加齢などの要因によって黄斑がダメージを受け、さまざまな視覚異常を引き起こす病気のことです。黄斑の変性によって視野の中心が歪む、暗くなる、欠けるなどの症状がおこり、最悪の場合は失明にいたります。
なお、『加齢黄斑変性』による中途失明率は冒頭に記したように欧米での第1位、日本では第4位にとどまりますが、食生活や生活習慣の変化により、近年になって患者数が高まっている傾向にあるようです。

再生医療による『加齢黄斑変性』への挑戦

高橋政代博士をプロジェクトリーダーに、理化学研究所と先端医療振興財団の共同により世界初の臨床研究がおこなわれたのは、昨年9月12日のこと。移植1例目となる手術を受けたのは、既存の薬物治療などでは効果が確認できない重度の『滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性』を患う70代の女性でした。

この女性の場合、腕から直径4mmの皮膚を採取し、6種類の遺伝子を組み入れる方法でiPS細胞を作製。さらに特殊なたんぱく質を加えることで網膜組織の一種『網膜色素上皮』に変化させ、およそ10カ月の培養期間を経てシート状の移植組織を完成させました。
こうしてできあがった「網膜色素のシート」を長さ3mm、幅1.3mmの短冊形に加工し、病巣に移植するというのが、この時おこなわれた手術です。
ではなぜ、黄斑の病気である加齢黄斑変性の患者に『網膜色素上皮』を移植することになるのでしょうか?

画像3
出典:Taylor Retina Center – Macular Degeneration

“ウエット型”と呼ばれる『滲出型加齢黄斑変性』の場合、その多くが色素上皮の下にある「脈絡膜」から発生した新生血管によって引き起こされます。
新しく発生したこの血管を『脈絡膜新生血管』と呼びますが、もちろん網膜の下に不要な血管が生じた病態は正常ではありません。この新生血管の発生の原因が、加齢による網膜色素上皮の機能低下によるものだと考えられているのです。

滲出型加齢黄斑変性は、この新生血管からの出血や滲出物により、視細胞機能がダメージを受けることによって起こります。したがって、滲出型加齢黄斑変性の治療としておこなわれる治療法の多くが、新生血管の拡大を抑えることを目的としたものとなります。いずれも視力の維持や病の進行を抑えることはできても、根治させることに有効な治療法とはいえないのが現状です。

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出典:The Japan Times – Japanese government panel OKs world’s first clinical research using iPS cells

そこで臨床研究としておこなわれたのが、異常をともなう新生血管を取り除き、代わりに培養した結膜色素のシートを移植するという手術です。
じつは、結膜色素上皮細胞は視細胞のメンテナンスにとって重要な役割を持っており、新生血管の原因となる、古くなった視細胞を消化する役目をもっています。
つまりiPS細胞由来の結膜色素シートを移植することで、加齢により衰えた細胞を再生することができるのです。まさに再生医療への応用が期待されているiPS細胞の利点をいかした手術といえるでしょう。

臨床試験その後

それから1年後、臨床手術1例目の被験者となった70代女性について、その後の経過が報告されました。それによると女性に合併症などの発生はなく、移植した色素細胞シートも所定の位置にとどまっており、術後の状態は良好とのことです。

今後、iPS細胞による加齢黄斑変性の治療はますます研究が盛んになることが予想されており、現在もiPS細胞由来の視細胞を含む『懸濁液(けんだくえき)』を病巣に注入し、生着させる治療法などの研究が進められています。
いずれにしろ、今後の再生医療に大きな一歩を進めた今回の移植手術の意義は大きく、根治治療の困難だった数多くの患者に大きな希望を与えています。

▼『加齢黄斑変性』については、こちらから
欧米では失明原因の第1位!日本人にも 増殖中の『加齢黄斑変性』ってどんな病気!?
中高年になると増える目の病気 『加齢黄班変性症』セルフチェック

【参考】
神戸新聞 – iPSから網膜細胞 世界初の移植手術実施 神戸
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201409/0007324118.shtml
株式会社ヘリオス – 加齢黄斑変性の治療方法開発
https://www.healios.co.jp/development/amd/
Logmi(ログミー) – iPS細胞がついに初の臨床試験へ! 担当医師が語る、”夢の技術”の現在
http://logmi.jp/15387

文/キネコ
目ディア

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