2歳で発症することも……見逃さないで!子どもの花粉症

近年、大人ばかりか子どもの花粉症が増えています。「大きくなれば治るだろう」と軽く捉えがちですが、花粉症は発症年齢が低いほど自然に治ることは難しく、年々アレルギー症状が重症化する傾向が見られます。
わが子が花粉症になったときに慌てないためにも、今から正しい知識を学んでおきましょう。
生後6ヶ月までの生活環境が花粉症のカギを握っている
鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版によると、花粉症の子どもは5~9歳で13.7%、10~19歳では31.4%もいることがわかっています。さらに、現在では2~3歳で花粉症になるケースもめずらしくありません。
「そんなに小さなうちから花粉症?」と思うかもしれませんが、現代の子どもたちを取り巻く環境は両親や祖父母の子ども時代とは大きく異なっています。
昭和20年代からはじまった植林事業により、木材資源として活用されるはずだった大量のスギやヒノキは伐採されぬまま成長し、現在、飛散する花粉量が増大しています。
幼い頃から大量の花粉にさらされることで、低年齢のうちに花粉症を発症する子どもが増えてしまったのです。
では、わが子を花粉症から守るためにはどうしたらいいのでしょうか?実は最近の研究で、生後6ヶ月までの生活環境が大きなカギを握っていることがわかりました。
生後6ヶ月の間にスギ花粉の飛散時期を迎える赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんに比べてスギ花粉による花粉症を発症する確率が高く、発症年齢も早いという報告があります。
そこで、花粉症シーズンに生後6ヶ月以内の赤ちゃんがいるご家庭では、以下3つの対策を実施することをおすすめします。
●ベビーカーで外出するときは必ずベビーカー用のカバーをかける
●抱っこヒモで外出するときは赤ちゃんに帽子をかぶせる(肌を極力出さない)
●室内の掃除(花粉除去)を徹底する
これらに花粉症の発症を100%防ぐ保障はありませんが、親御さんができる最善の策であるといえます。
風邪?それとも花粉症?症状の違いを徹底チェック
「風邪かと思っていた子どもの症状が、実は花粉症だった」というケースが増えています。
鼻水やくしゃみは軽く見えても、子どもにとっては大きな負担です。体調不良が続くことで勉強や遊びに身が入らなければ、生活に及ぼす影響は決して小さいとはいえません。
ここで、子どもの花粉症と風邪の症状を比較してみましょう。
●鼻の症状
【花粉症の場合】
・さらさらとした水のような鼻水
・くしゃみが増える
・炎症を起こした粘膜が腫れて、鼻づまりがひどくなる
・鼻血が出やすい
【風邪の場合】
・水のような鼻水は最初だけ
・治りかけは黄色っぽくねばついた鼻水に変化する
●目の症状
【花粉症の場合】
目のかゆみ、充血、まぶたの腫れ
【風邪の場合】
特になし
●熱の症状
【花粉症の場合】
体のだるさはあるものの、熱は出ない(あっても微熱程度)
【風邪の場合】
一般的な風邪でも子どもの場合は高い熱が出やすい
●皮膚の症状
【花粉症の場合】
目の周りやあご、首、ときには全身にかゆみや炎症が起こることがある
【風邪の場合】
特になし
花粉症と風邪の症状は重なる部分もありますが、詳しく比較してみると違いがあることがわかります。平熱にもかかわらず鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどが続く場合は、花粉症の疑いが濃厚です。早めに医療機関を受診しましょう。
花粉症の薬物治療は早め・軽めのうちにはじめるのが鉄則
子どものうちに発症した花粉症は、長い付き合いになることが想定されます。
子どもにとって最良の治療を進められるよう、小児科以外にも、鼻の症状が強いときは耳鼻科、目のかゆみが強いときは眼科、より総合的な治療を望むならアレルギー科、といった複数のかかりつけ医を持っておくことをおすすめします。
また、花粉症の治療では、アレルゲンがスギであれヒノキであれ、そのほかの花粉であれ、治療に用いられる薬は次の3セットが基本です。
1.アレルギー反応を抑制する内服薬
2.鼻の症状が強いときに処方される点鼻薬
3.目のかゆみが強いときに処方される点眼薬
抗ヒスタミン薬をはじめとするアレルギー症状を抑える薬の多くは、十分な効果を発揮するまでに時間がかかります。
「なるべく薬は使いたくない」という親御さんの気持ちもわかりますが、症状がひどくなってしまうとより強い薬に変えたり、薬の量を増やしたりしなければなりません。花粉が飛散する前に、症状が軽いうちから飲みはじめることが鉄則です。
さらに、以下のような投薬以外の花粉症治療もあります。
【レーザー治療】
7~8歳頃から治療可能。アレルギー反応を起こす鼻粘膜の表面をレーザー光線で焼き固める外科的療法で、鼻づまりや鼻水に即効性があります。
入院の必要はなく副作用も少ない点がメリットですが、粘膜は再生されるので長くても2~3年、短ければ1シーズンしか効果が続かないこともあります。「受験勉強に集中したい」などの理由がある場合は検討してみましょう。
【舌下免疫療法】
花粉症の根本的な治療法として期待される新しい免疫療法です。アレルゲン成分を含んだ薬を1日1回飲むことでアレルゲンに体を慣らし、アレルギー症状を改善していく方法です。
適性年齢は12歳以上。スギ花粉の場合は飛散が終わる6月頃から開始し、毎日の服用と月1回の通院が必要です。
小さな子どもは花粉症にどう対処すればいいのかわかりません。症状と上手く付き合っていくには、周囲の大人の手引きが必要です。正しい知識を持ち、今できる最善の策を講じましょう。
▼合わせて読みたい!読んで役立つ花粉症特集はコチラ!
◎花粉症基礎知識!!(ロート製薬 商品情報サイト)
◎つらい!かきたい! 花粉症の目のかゆみにおすすめの対策法5選
◎子どもの花粉症が急増中!今すぐ始める子どものための花粉症対策
◎今、唯一の根本的治療法! 次世代の花粉症治療『舌下免疫療法』とは?
〈参考〉
平成22年度花粉症対策|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/ippan-qa.html
子どもでも花粉症になるの?|花粉症ナビ
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/kids/children.html
もろほしクリニック耳鼻咽喉科:子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎治療のご案内
http://www.morohosi-jibika.jp/jibika/kodomonokahunsho-website/
『子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎を治す本』永倉仁史著/講談社
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結果
- Q1
-
お子さまの3.5人に1人が花粉症ということをご存知でしたか?
- はい
- いいえ
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- Q2
-
お子さまの花粉症に対して、どのような対処をされていますか?(複数回答可)
- マスク
- サングラス・メガネ
- 市販の目薬
- 市販の内服薬
- 市販の点鼻薬
- 市販の鼻洗浄剤
- 病院に行く
- 外出を控える
- 布団や洗濯物を外に干さない
Loading ...
- Q3
-
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- Q4
-
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《医師監修》【4ヵ月連続花粉症特集1】知っておきたい花粉症の恐ろしさと有効な対策方法

国民病ともいわれるほど、多くの方々が悩まされている花粉症。「桜の開花やウグイスの鳴き声よりも、目のかゆみや鼻づまりで春の訪れを感じる」という方は少なくないことでしょう。
そこで、『目ディア』では4カ月連続で花粉症に関して、眼科医の先生に詳しくお話を伺うことにしました!第1回は、花粉症を放っておくとどうなるのか、そして有効な対策方法とはどんなものなのかについて、眼科医の岡野先生にご解説いただきました。
身近な病気である花粉症ですが、実はさまざまな病気の引き金になる可能性もあります。どうせ毎年かかるものだからと対策を怠っていると、深刻な健康被害につながりかねません。この記事を読んで、対策をしてみてくださいね!
花粉症を放っておくとアトピーになる?花粉症が引き起こす体の変化とは
「花粉症に対して適切な対策をせずに放っておくと、アトピーやぜんそく、食物アレルギーなどを引き起こす原因になります」。冒頭からそんなショッキングな事実を教えてくれた岡野先生。その理由について、さらに詳しく説明してくれました。
「花粉症は、体のアレルギー反応によって起こります。体内に入ってきた花粉に対して免疫が反応し、目がかゆくなるなどの症状が出るのです。そしてこのとき、体はとてもデリケートな状態にあります。敵の襲来に備えて臨戦態勢をとっている兵隊さんみたいなものですね。そんなところに、花粉とは別のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が入ってきたらどうなるか……想像がつくのではないでしょうか?」
つまり、花粉の襲来によって体は免疫が過剰反応しやすくなり、普段ならアレルギーを起こさない物質に対しても敏感に反応してしまうということ。例えば、花粉症を発症しているときに体とあまり相性がよくない食材を食べると、アレルギー反応が起きる確率が格段に上がるのです。
花粉症という1つのアレルギーが新たなアレルギーを呼ぶ……これを「アレルギーマーチ(アレルギーの行進)」といいます。花粉症を放っておくと深刻な健康被害につながるのは、このようなメカニズムが理由です。
さまざまな角度からアプローチ!眼科医が教える花粉症対策
では、アレルギーマーチを引き起こさないためには、どのような対策をすべきなのでしょうか?岡野先生は、次のように語ります。
「花粉症対策で重要なのは、とにかく早めに対策をすること。花粉症はよく雪崩に例えられますが、崩れ始めてしまってから、つまり症状が出始めてから食い止めるのは難しいんです。具体的な時期としては、成人式のニュースを見たら「そろそろ受診しよう」と思っていただき、1月下旬までに治療をスタートするといいでしょう。重度の花粉症の方なら、年が明ける前、クリスマス頃には薬を服用するのがおすすめですね」
また、岡野先生は昔からある薬を服用し続けることにも警鐘を鳴らしています。
「花粉症の治療はどんどん進歩しており、近年では『デザレックス』や『ピラノア』、『ザイザル』といった効果の高い薬もたくさん開発されています。強い薬を服用するのは怖いからと従来の薬を毎年服用し続ける方がいますが、そのほうが薬の全体量が多くなることもあるんですよ」
冬のうちに病院にかかること、最新の治療を受けること、この2点が花粉症対策の肝になります。
また、薬だけに頼るのではなく、物理的に花粉をシャットアウトすることも重要です。メガネやマスクの着用はもちろん、外から帰ったときは、玄関に入る前に衣服についた花粉を払い落とすことも必須です。
さらに岡野先生が教えてくれたのは、換気口にフィルターを設置するというワザ。ホームセンターなどで安価に手に入る専用のフィルターを換気口につけるだけで、花粉の侵入を阻止できるのです。
「2003年に建築基準法が改正され、24時間換気が義務化されました。そのため、衣服についた花粉を払ったり、洗濯物を部屋干しにしたりといった工夫をしても、換気口から花粉がどんどん入ってきてしまうんですよ。あまり知られていませんが、フィルターの設置は花粉症の必須対策といえるでしょう」
目のかゆみに止まらないくしゃみ……実は花粉症ではない場合も!
「花粉症の薬をくださいと当院を訪れる患者さんの中には、花粉症ではない方も多くいらっしゃいます」。最後に岡野先生の口から語られたのは、またも驚きの事実でした。なんと、自分は花粉症であると勘違いしている方が少なからずいるというのです。
「花粉症と似た症状を引き起こす原因として、ダニの死骸があるんです。ダニは冬に死にますから、春先、ちょうど花粉症が流行る時期にアレルギー反応が起こります」。春になると目のかゆみやくしゃみがひどくなる原因は、花粉だけではないのです。
しかも恐ろしいのは、ダニのアレルギー対策は花粉症のそれと正反対であるということ!
花粉の場合は外の空気をシャットアウトすることが重要ですが、ダニの死骸は積極的に換気をして家から追い出す必要があります。つまり、もし花粉症ではなくダニによるアレルギーだった場合、一生懸命におこなった対策が逆効果になってしまうこともあるのです。
そんな事態を避けるためには、きちんと病院でアレルギー検査を受けることが重要。過去に一度も受けたことがない方は、ぜひこの機会に受診してみましょう。
花粉症対策の重要性や内容についておわかりいただけたでしょうか?みんながかかるものだからと侮るなかれ、きちんと適切な治療を受け、十分に対策を講じることは必須です。ぜひこの記事を参考にして、例年よりも健やかな春を過ごしてください。
来月以降も先生にお話を伺って花粉症特集をおこないます。ぜひ、そちらもチェックしてみてくださいね!
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◎約3割の親が子どもが花粉症だと実感!!(ロート製薬 商品情報サイト)
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◎子どもの花粉症が急増中!今すぐ始める子どものための花粉症対策
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◎つらい症状を香りのパワーで撃退! 花粉症に効くハーブ6選
【参考】
花粉症とは|花粉症ナビ
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/about/about.html
建築基準法の改正:換気扇・換気空清機ロスナイ|三菱電機 空調・換気・衛生
http://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/products/air/lineup/ventilationfan/knowledge/detail_04.html
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