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見えづらくなった後の人生をサポートする『ロービジョンケア』とは?

見えづらくなった後の人生をサポートする『ロービジョンケア』とは?

たとえ視力が1.0あっても、視野が狭いと歩行が不便になります。ものが二重に見える方は、新聞の文字をうまく読むことができません。そんな視機能の低下によって日常生活に不自由を感じている方をサポートするのが、今回ご紹介する『ロービジョンケア』です。

「見えづらさ」で生活に不自由を感じているすべての方が対象

ロービジョン_02

私たちは世の中の情報の80%を視覚から得ているといわれています。そのため、病気やけがによって視機能が低下し、以前のように見えなくなった状態=『ロービジョン(低視覚)』に陥ると、生活の質は一気に低下します。

「見たいものが見えない」という状態は大きなストレスとなり、当事者はそのストレスが人生をじわじわと蝕んでいくようにすら感じてしまうのです。

以前のように見えなくなっても、その方の人生はこれからも続きます。ところが、一般的な眼科では、治療後のアフターケアまで手が回らないのが現状です。眼科はあくまで、目の疾患を治すことがゴールだからです。

そこで誕生したのが、「治療を終えたが以前のようには見えない」方を別の角度からサポートする『ロービジョンケア』です。見えづらいからとあきらめず残された視機能をうまく使い、生活の質を上げていくことを目指す、いわば目のリハビリステーション的な存在です。

ロービジョンケアで実際に行われている支援について

ロービジョン_03

まだ知名度の低い分野ですが、ロービジョンケアを専門で扱う医療機関は少しずつ増えてきています。少しでも多くの方にロービジョンケアを知ってもらうために、具体的な支援策をご紹介しましょう。

ロービジョンケアは、眼科医、視能訓練士、生活訓練専門職、ソーシャルワーカーなどが協同で行うのが一般的です。カウンセリングで患者の方が日常生活で困っていることを聞きだし、その方にあった視覚補助用品をアドバイスします。

●「新聞などの小さな文字が見えづらい」方には……「拡大鏡(ルーペ)」、「拡大読書器」を提案。

生活に取り入れやすいルーペはメガネ式、手持ち式、卓上式などさまざまな種類の中から用途に合わせて選定します。「拡大読書器」はモニターに絵や文字などを最大40倍程度まで大きく写し出すことができるもので、仕事や授業に用いられています。

●「まぶしくて目が開けられない」「視界が白っぽくなりやすい」方には……「遮光メガネ」を提案。

まぶしさの原因である短波長光をカットし、光の散乱を抑えて見えやすくする効果があります。さまざまな色合いのレンズの中から用途に合わせて選定します。

●「遠くがよく見えない」方には……「単眼鏡」を提案。

黒板やホワイトボード、駅の料金表など、遠方を見るときに使用する望遠鏡の一種。扱いやすさや倍率などを考慮し、適切なものを選定します。

ロービジョン_04

そのほか、手元が見えづらい方の場合は食事をとるのもひと苦労ですから、ボタン式で適量の醤油が出てくる醤油さしや、色のコントラストをはっきりさせることで食べ残し防止につながる黒い食器など、市販の商品をアドバイスすることも多いそうです。

このように、身近な視覚補助アイテムを知ることも、視覚に不便がある方にとって快適な生活への第一歩となるのです。

白杖を使った歩き方からパソコン指導まで幅広いサポートを実現

ロービジョンケアでは、「視野が狭いためにうまく歩けない」「目が悪くなってしまったが、パソコンは使い続けたい」といった要望に合わせて、訓練が受けられる施設の紹介も行っています。

●歩行訓練

・ 視機能に合わせた安全な歩き方
・ 白杖を使った歩行方法やルール

●パソコン訓練

・ モニターに表示される文字や絵を拡大するソフトの使い方
・ 入力した文字を音声に変換するソフトの使い方

●点字訓練

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・6つの点から構成されている点字の読み書き法

さらに、患者の年齢や職業に合わせて、特別支援学校への進学や職業訓練施設の紹介、障害者手帳や障害年金といった福祉制度の利用法などのアドバイスも積極的に行っています。

また、視力が戻らない苦しさから精神不安に陥っている方などには、より丁寧なカウンセリングを行い、心療内科や患者交流会を紹介するなど、心のケアにも力を入れているそうです。

ロービジョン_06

そもそもロービジョンになってしまう大きな原因は、目の病気を治療せずに長年放置したことにあります。

日本人の失明原因の1位である緑内障をはじめ、糖尿病網膜症、加齢黄班変性症などは自覚症状がほとんどないため、ものが見えにくくなってはじめて、慌てて眼科にかけこむ方が後を絶たないのです。

目の病気の多くは早期に発見できれば、ロービジョンや失明に至る前に治療が可能です。見える目と一生付き合っていくためにも、目の検診を定期的に受けましょう。それが一番のロービジョン対策です。

▼ロービジョンや視覚障がい者への支援サポート記事はコチラ
視力を矯正できない“見えにくい人” =『ロービジョン』の視覚を疑似体験
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写真の翻訳、歩行支援、色のメガネ…… 視覚障がい者をサポートする便利なアプリ7選!

▼ロービジョンの原因にもなる目の病気はこちらをチェック!
目のトラブルについて~緑内障~(ロート製薬 商品情報サイト)
加齢黄斑変性とは?(ロート製薬 商品情報サイト)

〈参考〉
「見えづらい」「見えない」人は相談を – 眼科のリハビリ「ロービジョンケア」 マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/articles/2014/06/02/eye/
ロービジョンについて 日本ロービジョン学会
https://www.jslrr.org/low-vision
大人の弱視(ロービジョン)原因は | メガネスーパー 眼鏡(めがね、メガネ),コンタクト,サングラス,補聴器販売
https://www.meganesuper.co.jp/lowvision/jakushi/cause/
ロービジョンクリニック(第三機能回復訓練部) – 国立障害者リハビリテーションセンター病院
http://www.rehab.go.jp/hospital/japanese/rb/rb.html#1
神奈川リハビリテーション病院 – 眼科
http://www.kanariha-hp.kanagawa-rehab.or.jp/our-department/introduction-medical-department/medical-department11
ロービジョンケア|当院で受けられる手術・治療|多根記念眼科病院
http://www.tanemem.com/chiryo/other/lowvision/index.html
『目は1分でよくなる! ─あなたの目がよみがえる7つの視力回復法』今野清志著/自由国民社

目ディア

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アイケア

日ごろの意識づけが大事! 眼科医がおしえる年代別アイケアの注意点

日ごろの意識づけが大事! 眼科医がおしえる年代別アイケアの注意点

若いころには「近視」、大人になるにつれて「老眼」……と、目の悩みは加齢とともに変わっていきます。それぞれのライフステージで目にかかる負荷の種類もことなる中で、どのようなケアを心がければよいのでしょうか?

今回は、年齢別の目のケアについて眼科医の岡野先生にお話をうかがってきました!

赤ちゃんから小学生まで

この時期は好奇心が旺盛なので、保護者がしっかりと注意してあげましょう。物を見るそぶりがいつもと違ったり、瞬きが多く目をこすったり、姿勢がおかしかったり…… 普段と違う仕草をしていないか注意することが肝心だと、岡野先生はいいます。

目の病気で市販薬を使って3日以内に治らないときは、早めに眼科を受診するようにしましょう。弱視の原因になる場合もあるため、この時期の眼帯はNGです。

また、稀に子どもであっても「白内障」・「緑内障」・「鼻涙管閉塞症」などの病気を生まれながらに持っている場合があります。ものもらいや打撲・結膜炎などで眼科にかかったときに偶然発見されることも多く、眼科を受診することで早期発見が可能です。

もちろん、就学時健康診断や三歳児検診などで異常が指摘されたらすぐに病院に行くようにしましょう。

検診で斜視疑いなどの指摘があって眼科を受診する場合、または「この子は斜視じゃないかしら」などと不安になった場合は、それまでに撮りためた写真を持って眼科を受診するようにしてください。岡野先生いわく、診断に非常に役立つのだそうですよ。

中学生から高校生まで

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ある程度自立する時期ですが、まだまだ保護者の注意が必要であると岡野先生は指摘します。

特にこの時期から容姿へのこだわりが出てきて、オシャレを意識して髪型を変えたり、コンタクトレンズを使ったりし始めます。しかし、前髪が目にかかって片目だけしか出さないような髪型は眼精疲労の原因になりますし、整髪剤の汚れが目に入ってしまうと「ものもらい」などの病気の原因になったりします。

コンタクトレンズは角膜を覆ってしまうため、目が酸素不足や傷つきやすくなって細菌が繁殖しやすくなります。「角膜炎」や「結膜炎」のリスクを考えると、たとえスポーツをする場合であっても、柔道・空手などのコンタクトスポーツや、クラッシックバレーなど一部の競技をのぞけば眼鏡をかけておこなうことができます。なるべくコンタクトレンズは使わない方が疾病のリスクは少ないと岡野先生は指摘します。

また、成長期終盤は「近視」が増えやすくなる時期です。勉強だけでなく、マンガやゲーム・スマホなどで近くをみる機会が増えます。室内であれば1000ルクス以上の照度を保ち、60~90分使ったら目を休めて遠くをみるようにすれば近視の進行はある程度防げると岡野先生はいいます。こちらの点も、保護者が注意をうながすとよいでしょう。

疾病でいうと、40代とならんで、この時期は外傷や強度な近視によって発症する「網膜剥離」の多い時期です。「アトピー性皮膚炎」や「白内障」と合併してしまって発見が遅れ、症状が進行してしまう場合もあるので、網膜剥離の兆候といわれる「飛蚊症」があらわれたら一度は病院で検査を受けてください。

大学生から30代前半ころ

岡野先生いわく大学生から30代前半までは、目を大切にして疲れさせないように心がけていれば、近視の進行もほぼなくなり変化の少ない安定した時期になります。

逆に、生活スタイルや環境の変化による眼精疲労が増える時期でもあります。姿勢を正して適度に休憩を心がけながら目にかかる負荷をコントロールすることが求められます。

30代後半以降

年齢別の目のケア_03

30代後半以降の中間管理職の方で増えてくるのが、仕事によるストレスが原因の病気だと岡野先生は話します。黄斑に水ぶくれができることで視力低下・中心暗点などがみられる「中心性漿液性脈絡網膜症」が増える時期なので、急に視野中心部の見え方が変化した場合は早めに病院に行きましょう。

▼詳しくはこちら!
働き盛りの目を襲う! 男性に多い『中心性漿液性網脈絡膜症』とは?

40代以降の目は、加齢によって水晶体の弾力がなくなってくるので、目のピントも合いづらくなってきます。一般的に「老眼」と呼ばれ、誰にでもおとずれる症状といえます。無理をして目を疲れさせるのではなく、目にあった眼鏡を正しく使用するのが一番だと岡野先生は話します。

また、加齢により視力低下の原因になる病気も増えてきます。視力が低下したまま放置すると、病気で視力が下がっても気がつきません。遠近両用眼鏡など、医学的に注意が必要な処方は眼鏡店に任せるのではなく、眼科に相談しましょう。

特に、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の方が「網膜症」などで失明するケースが多いことをご存知の方も多いかもしれません。加えて最近では、日本における失明原因の第5位になるほど「強度近視による失明」も増えてきています。強度近視の方も毎年眼底検査を受けるようにすると安心でしょう。

アイケアで大切なのは目を疲れさせないこと

どの年代においても言えることが「明るさ」「時間」「姿勢」に注意することだと岡野先生は言います。部屋の明るさを保ちながら、正しい姿勢で生活し、目を使いすぎていないか時間に注意するようにしましょう。

また、眼鏡による適切な矯正をおこなうことで目を疲れさせないのも効果的だと岡野先生はおっしゃいました。

アイケアで不安なことがあれば、早期に眼科医にかかることが目の健康を保つ一番の近道だと岡野先生は指摘します。なんだか目の調子がおかしいな? と思ったときにすぐに相談できるように、小さなころからかかりつけの眼科を見つけておくことが大切かもしれませんね。

▼年齢別のケアについては、コチラの他記事も参考に!
視力の悪さは遺伝する!?眼科医直伝!子どもの目を守る対策とは?
子どもの近視が急増中! スマホやゲーム機から子どもの目を守るコツ
夏がくる、その前に!子どもの目を守るケア習慣を身につけよう
子どもの装用に医師が警鐘!コンタクトは何歳から使用してもいいの?
少しでも違和感があったら即実践!40代から始めるべき「見る力」のケア4つ
年齢とともに起こる目の機能低下とは?(ロート製薬 商品情報サイト)

【参考】
アトピー性皮膚炎と目(公益社団法人 日本眼科医会)
http://www.gankaikai.or.jp/health/29/08.html
視力と年齢(Bausch & Lomb)
http://www.bausch.co.jp/ja-jp/vision-and-age/

取材・文/田中利知
目ディア

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