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あなたの目、本当はどっちを向いている?体の不調の原因にもなる「隠れ斜視」とは

あなたの目、本当はどっちを向いている?体の不調の原因にもなる「隠れ斜視」とは

みなさんは、自分の黒目が本来どの方向を向いているかご存知ですか?

「黒目は目の中央にあって、まっすぐ前を向いている」と思っている方、それは勘違いかもしれません。実は私たちの目は、無意識で働いているすべての力を抜くと、本来黒目が中央にない(両目とも真正面か、真正面からやや外側を向いてしまっている)ことが多いのです。

このような目の状態の中でも、特に検査をしないと斜視が分からない場合、一般的には「隠れ斜視(正式には、斜位、簡潔性斜視など)」と呼ばれます。そして、場合によっては、肩こりや頭痛といった体の不調を引き起こすことがあるのです。

今回は、そんな隠れ斜視について、眼科医の岡野先生に詳しく教えていただきました。特に目が疲れやすいと感じている方、ぜひチェックしてみてくださいね。

黒目が真ん中にくるのは筋肉が調整しているから

隠れ斜視_02

「黒目は必ずしも真ん中にあるわけではなくて、目の周りの筋肉が眼球を動かし、中央にくるように調整しているんですよ。だから人によっては、ものを見ていない、筋肉が機能していない瞬間は、黒目がそっぽを向いていることもあります。でもそれは珍しいことではないし、もちろん病気でもないので、基本的には気にしなくて大丈夫です」。

隠れ斜視について、岡野先生はこのように教えてくれました。本人も気づいていないだけで、隠れ斜視の方はかなり多くいるのだそうです。

また岡野先生は、ものを見ているときでも視線が外れたままになることがあると教えてくれました。その原因としては、以下のようなことが挙げられます。

・加齢による眼球を動かす筋力の衰え
・もともと目のズレの程度が大きい
・体の疲れ

特に注目すべきは、体の疲れ。現代は、毎日パソコンやスマートフォンにかじりついていて、眼精疲労を起こしている方が多くいます。つまり、視線が外れやすい状態にある方はたくさんいるのです。

視線をコントロールできないと肩こりや頭痛を引き起こす

隠れ斜視_03

「目の疲れなどが原因で両目の視線を合わせるのが難しいとき、片目だけでものを見てしまうことがあります。体が両目で見ることをあきらめてしまうんですね。そうなると、機能しているほうの目の負担は大きくなる。そして、肩こり頭痛を引き起こします」。

疲れが原因で両目の視線が合わなくなり、片目でしかものを見られない状態になり、さらに疲れが増す……まさに負のスパイラルと呼ぶべき状態です。そんな隠れ斜視、自分でチェックする方法はあるのでしょうか?

「赤い下敷きやセロファンを用意して、顔の前に持ってきてください。そして下敷き(セロファン)越しに、自分に向けてペンライトや細めの懐中電灯を点灯してみましょう。すると隠れ斜視の方は、白い光と赤い光の2つが見えるんです」。

冒頭でも触れたとおり、視線のズレに気づいていない方は多いもの。しつこい肩こりや頭痛に悩んでいる方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?

隠れ斜視の方はこまめに目のケアを!メガネの活用も有効です

隠れ斜視_04

疲れが溜まりやすい生活を送っている方や、生まれつき視線が外れる角度が大きい方は、意識的に目をケアしてあげることが必要です。まずは、なるべくパソコンやスマートフォンから離れる時間をとること。できる限り目を休めてあげましょう。

また、発熱するアイマスクで目を温めたり、疲れ目に効く目薬を活用したりといった対策も並行して行ってください。

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また、隠れ斜視の程度がひどい場合は、メガネで調整することも可能です。「こまめに目のケアをしても、疲れるとものが2重に見えてしまう」という方は、一度眼科に相談してみるといいでしょう。

岡野先生が教えてくれたように、斜視は決して病気ではありません。しかし、程度がひどいと目が疲れやすく、体の不調につながることは事実。いつでも健やかな状態を維持するため、自分の目の特性として理解し、適切にケアしてあげることをおすすめします。

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文/中島香菜
目ディア

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早めの気づきと治療が大切! あらためて知りたい『斜視』について

早めの気づきと治療が大切! あらためて知りたい『斜視』について

『斜視』は人口の約3%に見られ、けして珍しい病気ではありません。しかし名前こそ聞くものの、どういった症状なのか、どのように治療するのか、しっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、眼科医・岡野先生に『斜視』について詳しく教えていただきました!

『斜視』とは 片方の目が対象物とは違う方向を向いてしまう病気

私たちはモノを見るとき、左右2つの目を働かせます。そのため何かを見ようとしたとき、両方の目は、同じように対象物に向けられます。しかし『斜視』とは、「両方の目が同じように対象物に向けられる」という本来の働きが、正常におこなわれない病気です。

斜視_02
出典:スマイル眼科クリニック『目の病気について|斜視(しゃし)』

片方の目は対象物に向けられているのに、もう片方の目は対象物に向かわず、別の方向を向いてしまうのです。
対象物に向いていないほうの目が、内側に向いていれば『内斜視』、外側に向いていれば『外斜視』、上ないし下を向いていれば『上下斜視』などと区別されます。

左右の目が別方向を向くことで生じる異常 「モノが二重に見える」

本来、同じ方向を向くべきはずの両目が、それぞれ別の方向を向くわけですから、容姿にどこか違和感を覚えるだけでなく、見え方にも異常が生じます。左右の目が別々の方向を向いていることから、左目と右目で見ている景色が一致せず、モノが二重に見えてしまうのです。
一方の目が内側ないし外側に向いてしまう『内斜視』『外斜視』であれば、横にズレるように二重に見え、一方の目が上ないし下に向いてしまう『上下斜視』であれば、縦にズレるように二重に見えます。

斜視_03
出典:Wikipedia『外眼筋』

『斜視』は主に、眼球を動かすために働く目の筋肉「外眼筋(がいがんきん)」の異常によって生じます。先天性と後天性があり、ほとんどが先天性です。
後天性の場合、脳梗塞などにより、外眼筋が麻痺することで生じますが、「モノが二重に見える」といった症状は後天性に顕著で、先天性の斜視では、ほとんど見られないそうです。

『斜視』が引き起こす 『弱視』や『立体視機能の異常』

その理由は、人間は幼いころから見ることそのものを通し、徐々に視力を完成させていくからです。
成長過程にある子どもは非常に柔軟です。見え方に不都合を感じると、脳が「この機能は必要ないんだな」と取捨選択をおこないます。斜視においても同様で、モノが二重に見えないよう、片方の目の成長をストップさせてしまうのです。

斜視_04

このことから先天性の斜視の子どもは、モノが二重に見える症状を実感することなく、成長を遂げるケースがほとんどですが、目の正常な発育が止まることから、メガネやコンタクトレンズで矯正をしても視力が上がらない『弱視』を招く危険性があります。

さらに『斜視』で引き起こされるのが、『立体視機能の異常』です。立体視とは、モノを立体的に見るための機能ですが、この機能は、両目で見ることで育まれます。そのため斜視によって視線の向きに左右の差があったり、斜視から生じる弱視によって、左右の視力に大きな差があったりすると、立体視の機能が育ちにくくなるのです。

どう治療するの? 症状が重くなければメガネでの矯正も可能!

このように生涯にわたる見え方を左右してしまう『斜視』ですが、どのような治療法があるのでしょうか?
まず、症状が軽い場合に有効なのが「メガネ」による矯正です。近視や遠視に使用するレンズとは違い、三角形をした「プリズムレンズ」を使用します。

斜視_05
出典:BERNELL『Corrected Curved Prisms (48mm) – Fit Prism Glasses』

プリズムレンズで光を屈折させることにより、左目と右目が見ている景色が一致するよう、調節してあげるのです。
メガネである以上、外せばもとの状態に戻りますが、正常な見え方で日常生活を送ることができれば、脳による取捨選択も起こりづらくなります。

また、メガネによって矯正できないほど強い斜視の場合には、手術が必要になります。眼球が正常な向きに働くよう、眼球の動きを司る「外眼筋」にメスを入れるのです。
ただし斜視の手術は、そう簡単なものではなく、子どもの場合は全身麻酔を使用することになります。体にかかる負担が大きいため、「局所麻酔での手術が可能になってから」という選択される患者さんもいるそうです。
それでも先天性の斜視では、“持って生まれた見え方”に体が順応するため、人より目が疲れやすいといった点はあるにせよ、普通に生活することができます。

軽度の場合は見逃すことも! 『斜視』に気づくには検診が大切

しかし前述した『弱視』や『立体視機能の異常』を回避し、正常な“見る力”を育むには、視力が完成する6〜8歳までに矯正や手術をおこなうことが大切です。
斜視の手術は何歳でもできますが、視力が完成したあとでは、外見的に目の向きを変えることがほとんどの目的となります。

そのためにはまずは、お子さんに斜視の症状が見られるかどうか、保護者が気づいてあげることが重要です。軽度の場合、外見からでは気づけないことがありますが、就学前検診など、受けるべき検診を受けていれば、斜視かどうかを知ることができます。
その上で、眼科医による、症状や年齢、成長に合わせた適切な治療を受けることが大切です。

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取材・文/大谷享子
目ディア

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