《鍼灸師監修》偏頭痛の前兆『閃輝暗点(せんきあんてん)』が起きたら…3つのツボを刺激して症状&偏頭痛の負担を緩和しよう!

激しい偏頭痛の前兆として知られている、閃輝暗点(せんきあんてん)。視界にチカチカとした光が入り、視野が狭くなったり、ものが見えにくくなったりします。
閃輝暗点の症状が出てしまったら、その後にやってくる偏頭痛を少しでも軽減することが重要です。具体的には、自分でできるツボ押しで負担を最小限に抑えましょう。
今回は、そんな閃輝暗点の症状が出たときに刺激したいツボについて、鍼灸師の高田香菜子先生に教えていただきました。
脳梗塞につながることも……閃輝暗点ってどんなもの?
閃輝暗点やそこからくる偏頭痛の緩和方法についてご紹介する前にまず、閃輝暗点とはどのような症状で、どのような病気につながるかをおさらいしましょう。
閃輝暗点とは、視界にチカチカとした光が入り込み、ものや風景が見えにくくなる状態のことです。脳の血管の収縮・拡張が原因で引き起こされる症状で、閃輝暗点の後は多くの場合、激しい偏頭痛に見舞われます。
また、閃輝暗点があっても頭痛が起きないときは、脳梗塞や脳腫瘍の前兆の可能性も考えられます。頭痛がないからといって単なる目の不調として済ませてしまうと、恐ろしい事態につながりかねません。
▼閃輝暗点の詳しい説明はコチラ!
◎目のチカチカや頭痛があったら要注意!閃輝暗点ってどんな病気?
閃輝暗点の症状改善に効くツボ
閃輝暗点が起きてしまったら、その症状はもちろん、後にやってくる偏頭痛の症状を緩和するための対策をとることをおすすめします。具体的には、以下にご紹介する3つのツボを刺激してみましょう。
いずれも首から頭にかけての血流を促進させられるツボで、刺激すると閃輝暗点の症状や頭痛を和らげる効果が期待できます。
●天柱(てんちゅう)
まずは、首の後ろの真ん中にある骨のくぼみを探してください。その両側には、太い筋肉(僧帽筋)が縦に2本通っています。天柱は、その筋肉の外側にあります。
ここを写真のように両手の親指で刺激しましょう。ツボの位置を正確に把握できている自信がない場合は、周囲を幅広く刺激してOKです。
●風池(ふうち)
風池は、先にご紹介した天柱の少し外側のくぼみにあります。
天柱と同じく、力が入りやすい親指で刺激しましょう。風池周辺で痛気持ちいいと感じる場所があれば、そこも一緒に刺激してかまいません。
●玉沈(ぎょくちん)
玉沈は天柱(てんちゅう)の上、左右の耳の上を結んだ線上のあたりに位置しています。
天柱や風池と同じく、親指で強めに刺激します。
場所を問わず刺激できるツボばかりなので、閃輝暗点が起きたらすぐに刺激してみてください。なお、いずれもツボを刺激することで痛みが増す場合は直ちに中止し、できるだけ安静にしましょう。気持ちいいと感じる範囲で行うことが重要なポイントです。
閃輝暗点が起きたら、まずは今回ご紹介したツボ押しを実践し、偏頭痛が治まったら念のため病院を受診しましょう。はじめに眼科にかかって目の状態を検査し、異常がなければ内科または神経内科に相談してみてください。
大きな病気の前兆である可能性もあるので、自己判断せずに、必ず医師に診断してもらってくださいね。
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目のチカチカや頭痛があったら要注意!閃輝暗点ってどんな病気?

視野の中にチカチカ・キラキラした光が現れて、ものが見えにくくなることがあったら、それは「閃輝暗点(せんきあんてん)」かもしれません。
閃輝暗点は偏頭痛の前兆として知られていて、あの芥川龍之介も短編『歯車』にこの症状を「幻覚」として描くなど、多くの人が悩まされています。
今回はこの閃輝暗点の症状や原因、関連する病気などについて詳しくご紹介します!
閃輝暗点とは?
出典:Wikipedia
閃輝暗点とは、勝手に動くような「チカチカ」「キラキラ」した光が見えてしまい、視野が狭くなったり、ものが歪んで見えたりする症状です。
上の画像のように、ギザギザの歯車のような光が広がりながら回転しているようにも見え、5~30分ほど症状が続いたあとで、視界の外へ消えていきます。目を閉じていてもこの光は見えます。
英語では「Migraine aura(マイグレイン・オーラ)」もしくは「Scintillating scotoma」といいます。
閃輝暗点の症状とは
多くの場合、この閃輝暗点が現れたあとに偏頭痛が起こります。吐き気や嘔吐をともなう激しい頭痛であることが多いようです。閃輝暗点は目の症状として現れますが、目そのものの病気ではありません。脳の中で起こった変化によって発生する症状です。
具体的には、脳の中で「視覚野(しかくや)」がある後頭部の血流が何らかの理由で悪化し、それが改善された(=その部分の血流がよくなった)ときに起こるとされています。
閃輝暗点のあとに起こる偏頭痛の原因も同じように考えられており、脳の血管が収縮したり拡張したりするときに、周囲の神経を刺激していろいろな症状が起こるとされています。その症状の1つとして自覚しやすいのが、閃輝暗点なのです。
閃輝暗点の原因は?
先にご紹介したように、直接の原因は「脳の血管の収縮と拡張」とされています。
原因が同じとみられる偏頭痛に関しては、10代や20代で発症しやすく、特に女性のほうが多い傾向にあるようです。偏頭痛は遺伝する可能性も高いと考えられています。
生活面での原因としては、過度なストレス、喫煙、コーヒーやアルコール、チョコやナッツの食べ過ぎなどが挙げられます。これらはどれも血管を収縮させる作用があるため、脳の血管の収縮と拡張の差が大きくなってしまって、神経への刺激も大きくなるのです。
また、緊張状態から「ふっ」とリラックスしたときに症状が出やすいともされています。
ストレスや興奮などで交感神経が優位のときは、血管が収縮します。逆にリラックスして副交感神経が優位になると血管は拡張するため、閃輝暗点が起こりやすくなるようです。
この他にも、ホルモンバランスや外からの視覚的な刺激などが原因として考えられます。
頭痛が続くときは眼科と神経内科を受診して!
閃輝暗点や頭痛が続くのはつらいものです。閃輝暗点が現れたら、まずは眼科に行き、目の異常がないか検査しましょう。そこで特に異常が見つからなければ、次は神経内科や内科を受診します。
神経内科では、必要に応じて頭部CTやMRIといった精密検査をおこないます。そこで次にご紹介するような重大な病気が見つかることもありますが、そうではなく偏頭痛と診断されたら、基本的には薬の内服で治療することになります。
薬は主に2種類に分かれます。1つは症状が出たときに飲む対症療法のもので、市販の鎮痛剤などでもある程度効果があります。もう1つは予防薬です。亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどを含む薬を最低でも1カ月ほど服用して様子をみるのが一般的です。
こんな場合は要注意! 閃輝暗点が関係する病気とは
偏頭痛の前兆症状としての閃輝暗点は、そこまで深刻な病気ではありません。気をつけたいのは、閃輝暗点だけがあって頭痛をともなわないケースです。
この場合、まれにですが脳梗塞や脳腫瘍などの前兆であることがあります。つまり、脳にできた血栓が血流をさまたげたことが原因で閃輝暗点が出ることもあるのです。
特に中高年で頭痛をともなわない閃輝暗点の症状があったら、自己判断は禁物です! すぐに医療機関を受診しましょう。
いかがでしょうか? 視界に謎のチカチカやキラキラが現れたら、それは偏頭痛や脳梗塞などのサインかもしれません。気になるときは自己判断せず、どうぞ早急に医療機関を受診してくださいね。
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【参考】
閃輝暗点|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%83%E8%BC%9D%E6%9A%97%E7%82%B9
あの有名人も頭痛に悩んでいた|タイレノール
http://tylenol.jp/famous/famous_08.html
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