• HOME
  • 専門家
  • レーシックの弱点を克服!? 合併症のリスクを軽減させた『角膜強化レーシック』とは?
視力回復

レーシックの弱点を克服!? 合併症のリスクを軽減させた『角膜強化レーシック』とは?

レーシックの弱点を克服!? 合併症のリスクを軽減させた『角膜強化レーシック』とは?

手術によって視力が回復するレーシック。日常的にメガネやコンタクトレンズを使用している方なら、一度は受けることを考えたことがあるのではないでしょうか?
しかし、ドライアイや夜間の視力低下、まれに角膜が感染症にかかるなど、術後のトラブルに悩まされている方がいることも事実です。
そこで新たに開発された治療法が、『角膜強化レーシック』です。従来のレーシックとはなにが違い、どんな治療法なのでしょうか? スマイル眼科クリニック院長・岡野敬先生に聞いてみました!

なぜ術後のトラブルが起きるのか? 従来型レーシックをおさらい!

レーシックとは、角膜をレーザーで削り、角膜の形状を変化させることで視力を矯正する治療法です。角膜をどのような形状に変化させるかにより、近視だけでなく、遠視、乱視の矯正もおこなうことができます。
レーシックの手術ではレーザーによって角膜を削る前に、まず角膜表面の上皮を利用し、『フラップ』と呼ばれるフタ状のモノをつくります。フラップは術後の角膜を保護する役割を担いますが、フラップをつくるには『マイクロケラトーム』と呼ばれる電動カンナのような器具を使い、角膜の表面を切る必要があります。

角膜強化レーシック_2
出典:Jasblog「LASIK OP in Istanbul bei Dr. Leyla Kandur」

実はレーシックの術後に起こるトラブルの多くは、フラップをつくるときにおこなう、切る行為によって引き起こされています。角膜の表面には無数の神経繊維が走っていますが、これが切断されることにより、外部刺激に反応し、涙を分泌させる機能が鈍ります。そこで起こるのが術後のドライアイです。
また術後の感染症においても、角膜を切って削り、より体内に近い繊細な場所があらわになることから、やはり発症のリスクが高まります。

切ることでリスクが生じるなら切らなければいい? その治療法とは!?

「角膜の表面を切ることでリスクが生じるならば、切らなければいい」。『角膜強化レーシック』は、こうした発想のもとに開発されています。従来型のレーシックと違う「切らない治療法」とはどういったものなのでしょうか?

角膜強化レーシックは、角膜を削りません。削らず、角膜を変形させます。前述した通り、『フラップ』をつくる目的は、術後の角膜保護です。削ったままの角膜をそのままにしておけば、ひどい痛みがともない、さらに感染症のリスクも高まります。
しかし、角膜強化レーシックではそもそも角膜を削らないため、保護を目的につくられるフラップを必要としません。削らないだけでなく、表面を切る必要もなくなるのです。

削らずに熱を利用! 技術進歩が可能にした『角膜強化レーシック』

削らずに角膜を変形させるには、“熱”を利用します。角膜を構成する主成分はコラーゲン、つまりタンパク質ですが、タンパク質は熱を与えると収縮する特性をもっています。この特性を活かし、角膜にレーザーの熱を与えることでギューッと収縮させ、形を変形させるのが角膜強化レーシックの方法です。

角膜強化レーシック_3
出典:ALL ABOUT VISION「Conductive Keratoplasty (CK) Reduces Need for Reading Glasses」

熱によって角膜の形状が変化することは以前から解明されていましたが、どの程度の熱を与えれば、どれほど角膜の形状が変わるかは、やってみないと分からない状態でした。人の目である以上、個人差もあるため、少しの計算の狂いが致命傷となります。
しかし技術の進歩により、事前の計算だけでなく、手術をしながらにしてコンピューターがレーザーの熱量と角膜の形状変化をはじき出し、大きなリスクなく、施術が可能になったのです。

合併症のリスクは軽減するけれど、新技術こそのトラブルも覚悟して

『角膜強化レーシック』ですが、実はさまざまな名称で呼ばれています。角膜を変形させて視力を矯正することから『角膜強化』や『角膜強じん』と呼ぶ眼科もあれば、熱伝導によって角膜を変形させることから『Conductive Keratoplasty(通称・CK。日本語に訳すと「伝導性角膜形成術」。主に老眼治療に適すとされる)』、フラップをつくらずおこなうことから『フラップレスレーシック』と呼ばれる場合もあります。
名称は手術をおこなう眼科によって違いますが、治療内容の「フラップをつくらず、角膜を削らず、レーザー照射によって角膜を変形させる」といった根幹は同じです。

一般に広く通じる名称が確立していないことからも分かるように、『角膜強化レーシック』は、まだまだ新しい治療法です。従来型レーシックの懸念材料であった合併症のリスクが軽減されるという、大きなメリットはありますが、利用人口が少ない分、未知のトラブルが起きる可能性もあります。
また、治療にかかる金額も、従来型レーシックでは両目で10万程度といった眼科が少なくない中、角膜強化レーシックでは、両目20万円ほどが相場となっています。
先日お伝えした『オルソケラトロジー』同様、眼科医とよく相談の上、自分に必要かどうかをよく考えた上で治療を検討しましょう。

▼視力矯正については、コチラの記事もオススメ!

眠っている間に視力矯正!? 今話題の『ナイトレンズ』とは?
目の中に入れるコンタクト!? レーシックに代わる選択肢『ICL』手術とは?
『レーシック』で後悔しないために知っておきたいメリットとデメリット

▼今使っているコンタクト、正しくケアできていますか?
正しいレンズケアのすすめ(ロート製薬 商品情報サイト)

取材・文/大谷享子
目ディア

この記事が気に入ったら
いいね!してね♪

視力回復

レンズを着けて眠るだけで視力が回復!? 『オルソケラトロジー』について眼科医に聞いてみた

レンズを着けて眠るだけで視力が回復!? 『オルソケラトロジー』について眼科医に聞いてみた

「特殊なレンズを装着して眠るだけで、視力が回復する」。まるで夢のような話ですが、これを可能とするのが『オルソケラトロジー』です。
日本で本格的にこの治療法が始まったのは、2009年のこと。比較的新しい技術のため、どんな治療法なのか知らない方や、そもそも名前を初めて耳にしたという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ご自身が院長を務めるクリニックでもオルソケラトロジーの処方をおこなう眼科医・岡野敬先生に、詳しくその内容について聞いてみました!

なぜ視力が回復するの? 答えは“レンズによる角膜カーブの矯正”!

メガネや通常のコンタクトレンズは、レンズによって目に取り入れる光の屈折を調節し、網膜上でピントが結ぶよう矯正する器具です。

一方、『オルソケラトロジー』は、特殊なコンタクトレンズを装着して眠れば、翌日1日程度は近視が矯正され、裸眼のままでもクリアな視界を保つことができるという治療方法です。毎晩の装用を開始してから、1週間ほどで効果を実感する方が多いようです。

なぜ、このようなことが可能になるのでしょうか?
例えば、葉っぱにポタッとのった、水滴を思い浮かべてみてください。水滴がのった部分だけ、葉の模様が大きく、まるで虫メガネを通したように浮かび上がって見えるはずです。

オルソケラトロジー_2

これは水滴が描くカーブそのものにレンズ効果があることを示していますが、これと同じように、眼球に沿ってカーブを描く角膜もレンズ効果をもっています。

『オルソケラトロジー』とは外側から装着するレンズは用いず、角膜そのものがもつレンズ効果を利用した治療法です。角膜のカーブを変形させることで目に取り入れる光の屈折を調節し、網膜上でピントが合うように矯正するのです。

『オルソケラトロジー』はけっこう荒療治!? 表面張力でカーブを矯正

では続いて、どのように角膜のカーブを変形させるのでしょうか?

実は非常に単純で、メイク用ののりで一時的に二重まぶたをつくり出すのと同じ。装用するレンズのカーブ合わせ、角膜を“クセづけ”しているだけなのです。
そのため、毎晩レンズを装用する必要があります。また、角膜の柔らかさによって個人差があるため、中には夕方には「見えづらい」と視力の戻りをうったえる方もいらっしゃるようです。

以前、『目ディア』の記事「コンタクトレンズの不快感を我慢しないで! 4つのお手軽アイケア方法」でもお伝えしたように、コンタクトレンズが角膜の上にとどまっていられるのは、涙による表面張力のおかげです。『オルソケラトロジー』による角膜の矯正も、表面張力によって、レンズに角膜を吸いつかせることでおこないます。

Contact lenses
出典:THE EYE DOCTORS「Sharp, Clear Daytime Vision — Without Glasses or Surgery」

網膜上でピントが合うようにするには、大げさにいえば、角膜を平らにする必要があるため、『オルソケラトロジー』で用いられるレンズは中央が平らになっており、ハードコンタクトレンズ同様、硬い素材でつくられているのが特徴です。

ゆるいカーブを描いている角膜を平らにクセづけするため、これまでソフトコンタクトレンズを使用してきた方はもちろん、ハードコンタクトレンズの使用に慣れた方でも、最初は痛みや違和感を伴います。

使用時はレンズケアが重要 また人を選ぶ治療という側面も

ほとんどの場合、装用を続けていれば、痛みや違和感には次第に慣れていくようです。慣れてしまえば、たとえ夕方までであっても、裸眼で生活に不自由しないだけの視力が保てるため、日中、激しいスポーツをする方などには、有用な治療法といえるでしょう。

ただし、『オルソケラトロジー』には注意点もあります。1つは、レンズケアです。

最近では1日使い捨てのソフトコンタクトレンズが主流となり、面倒なレンズケアはしていないという方も少なくないと思います。しかし、『オルソケラトロジー』で用いるレンズは、通常2~3年ほど継続して使用するため、レンズケアが重要になります。正しいケアを怠れば、レンズに残った汚れによって目が炎症を起こしたり、傷がついたりしてしまうおそれがあります。

『オルソケラトロジー』を受けるには、レンズケアを怠らないことが条件となりますが、実はそれ以前に、目の状態によって人を選ぶ治療法でもあります。

まず、角膜のカーブを矯正するのにも限度があるため、近視が強い人には向きません。また、まぶたにかかる圧力が強い人の場合、レンズがズレてしまうため、矯正ができない場合があるようです。

さらに、20歳以下におけるオルソケラトロジーの効果については、まだ治験の最中です。中には「18歳以上でなければ受けられないレーシックと違い、子どもでも受けられる」という眼科もありますが、近視矯正の効果についても、成長期の目にどんな影響を及ぼすかについても、まだはっきりしていないため、使用は安全が確認されるまでもう少し待ちましょう。

日中はコンタクトから解放されるけど…あなたにとって本当に必要?

オルソケラトロジー_4

メガネやコンタクトレンズの装用が欠かせない人にとって「日中、裸眼で過ごせる」というフレーズは、非常に魅力的に聞こえます。
ただ、岡野先生は「コンタクトレンズをつけている時間帯が、起きている昼間か、寝ている夜間かの違いだけ」ともいいます。また治療(=レンズの購入や維持費)にかかるお金も、けっして安いものではありません。

『オルソケラトロジー』を検討される場合は、「お金をかけるだけの価値があるのか?」、「きちんとケアが続けられるのか?」といったことをしっかりと考えてから、適切な医師に相談するようにしましょう。

▼視力矯正については、コチラの記事もオススメ!
眠っている間に視力矯正!? 今話題の『ナイトレンズ』とは?
目の中に入れるコンタクト!? レーシックに代わる選択肢『ICL』手術とは?
『レーシック』で後悔しないために知っておきたいメリットとデメリット

▼みんなのコンタクト事情が知りたい!
大人女子たちのコンタクト事情(ロート製薬 商品情報サイト)

取材・文/大谷享子
目ディア

この記事が気に入ったら
いいね!してね♪

関連記事

RELATION POST

  • Amazon ロート製薬
  • ロートV5粒
  • ロートVアクティブ
  • ロートV11 目を酷使する人のつらい疲れ目に。
目ディアの最新情報をチェック!
  • 目ディア facebook
  • 目ディア Twitter
  • 目ディア RSS
ページ上部へ