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《医師監修》視力低下を防ぐカギは外遊びにあった!?眼科医が教える近視抑制の最前線

《医師監修》視力低下を防ぐカギは外遊びにあった!?眼科医が教える近視抑制の最前線

年々増加傾向にある、近視人口。文部科学省が毎年行っている学校保健統計調査によると、なんと小学生の3割以上が視力1.0未満であることがわかりました。これが中学生になると5割以上、高校生では6割以上にもなります。

背景にはスマートフォンの長時間利用をはじめとした生活習慣の乱れがあるといわれていますが、ではどうしたら子どもたちの視力低下を防げるのでしょうか?近年の近視抑制について、スマイル眼科クリニックの院長である岡野先生にお話を伺いました。

近視抑制のスタンダードな方法とは?

近視抑制_02

「近視を抑制する治療として海外でよく知られているのは、日本ではまだ一般的ではありませんが、アトロピン点眼近視抑制レンズを使用したメガネを着用するものですね」。近視抑制の治療について、岡野先生はまずこのように教えてくれました。

アトロピン点眼

アトロピン点眼とは、その名のとおりアトロピンという成分が配合された点眼薬を使う治療法。継続して使用することで、視力低下を抑えることができます。

アトロピンの配合量が多い(1%)ものだと、点眼後に瞳孔が開いてまぶしさを感じてしまいますが、低濃度(0.01%)のものならそうした副作用は基本的にありません。

近視抑制レンズ

近視抑制レンズとは、通常の近視用レンズとは違い、レンズの上下で度数が異なるようにつくられたものです。レンズ上部は遠くを見られるように通常の近視用レンズと同じ度数になっていますが、下部は度数を弱くして、手元を見やすくしています。

一般的な近視用レンズをかけて手元を見ると、目のピント調節機能に負担がかかるので、これを軽減するためにつくられました。近視抑制レンズを使用することで、視力の低下を抑える効果があることが証明されています。

近視抑制の最前線“バイオレットライト”に注目!

近視抑制_03

「アトロピン点眼と近視抑制レンズは実際に今採用されている治療方法ですが、近視抑制に関する研究の最前線では、バイオレットライトが注目されています」と岡野先生は語ります。

バイオレットライトは直射日光に含まれる紫色の光で、これを一定量浴びると、近視抑制の効果があることがわかってきたそう。

「バイオレットライトの効果を研究するために行われたある実験では、中国で暮らす中国人の子どもたちと、オーストラリアに移住した中国人の子どもたちの視力を調べています。すると、前者は近視が進む傾向にあるのに対し、後者は進まなかったんです。今中国では、交通事情や環境の問題などで、子どもが外で遊ぶことを制限しているんですよ。つまり、日に当たる時間=バイオレットライトを浴びる時間が短くなっている。オーストラリアではそんなことはありませんから、視力は低下しなかったというわけです」。

外で元気に遊び、日光をしっかり浴びる……そんな昔の子どもなら当たり前だったことが、近視抑制のカギになるというのです。

バイオレットライトをきちんと浴びるための注意点

近視抑制_04

そんな近視抑制に効果があるバイオレットライトを浴びるには、注意しなければならない点がいくつかあります。

まず、必ず直射日光に当たること。バイオレットライトはガラスを通すとカットされてしまうので、いくら日当たりがいい窓辺でも、屋内では当たることはできません。なお、日光を浴びる時間は1日に2時間必要とされています。

さらに、UVカット機能やブルーライトカット機能を備えたコンタクトレンズやメガネは、バイオレットライトまでカットしてしまいます。

「近年はブルーライトカット機能がついたメガネが多く出回っていますが、子どものうちはその機能がないものを選ぶことをおすすめします」。

バイオレットライトをさえぎるものがない状態で、1日2時間日に当たる……ぜひお子さんに実践させてみてくださいね。

2016年には近視学会が設立されるなど、近視抑制にますます注目が集まっている今日この頃。お子さんをお持ちの保護者の方は特に、今回ご紹介したバイオレットライトをはじめ、最新の動向をしっかりチェックするようにしてくださいね。

▼岡野先生が監修するそのほかの記事はコチラ!
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▼子どもの視力低下についてはこちらもチェック!
子ども達の視力低下が増えています!(ロート製薬 商品情報サイト)

<参考サイト>
小中学生の近視、過去最多 文科省調査:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASKDR0D9WKDQUBQU01F.html
近視抑制(低濃度アトロピン点眼) | さいたま市・浦和の眼科 – 医療法人新光会
http://www.sinkokai.or.jp/medical/myopine/
MCレンズ(近視抑制めがね)|横浜市戸塚の眼科 とつか眼科。近視抑制めがねや日帰り手術・土曜診療対応
http://www.totsuka-ganka.com/mc/index.html
科学新聞(近視学会設立年を参照)
http://tmdu-ganka.jp/media/document/paper_20160909_kagaku.pdf

文/中島香菜
目ディア

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近視を抑制できる!?太陽光に含まれる『バイオレットライト』の効果とは

近視を抑制できる!?太陽光に含まれる『バイオレットライト』の効果とは

「屋外で過ごすほうが近視になりにくい」とは以前からいわれていたことですが、最近の研究でその理由が明らかになってきました。屋外で過ごすと、太陽光の中に含まれている『バイオレットライト』と呼ばれる光をたくさん浴びることになり、このことが近視の抑制に関係していたというのです。

今回はバイオレットライトと子どもや大人の近視との関連性について、わかりやすく解説していきます。

バイオレットライトって何?

バイオレットライトは、太陽光に含まれている紫色の光です。波長は360~400nm(ナノメートル)で、これよりもさらに短い波長の目に見えない光を「紫外線」と呼んでいます。

バイオレットライトは、蛍光灯やLEDといった日常生活の明かりにはほとんど含まれていません。また、建物の窓ガラス、車の窓ガラスなどもバイオレットライトを通さないものが多く、現代社会ではこの光を浴びる機会が少なくなってきています。

さらに、メガネやコンタクトレンズもバイオレットライトをカットしてしまうものが多いため、「メガネをかけるようになると近視が進みやすい気がする」というのは、メガネのレンズがバイオレットライトを通さないからではないか、といった指摘もあります。

近視とバイオレットライトの関係は?

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近視になる原因の1つに、眼軸長(目の角膜から網膜に至るまでの長さ=眼球の長さ)が伸びてしまうことによる『軸性近視』があります。眼軸長が伸びすぎると、ピントが合うポイントが網膜よりも手前になってしまうため、遠くにあるものがぼやけて見えにくくなるのです。

しかし、バイオレットライトを浴びると、浴びないよりも眼軸長が伸びにくくなることが、近年のさまざまな研究により明らかとなっています。

たとえば、コンタクトレンズを使用している13~18歳の眼軸長の伸びについて過去のデータを解析したところ、バイオレットライトを透過するコンタクトを使用していた子どものほうが、バイオレットライトを完全には透過しないコンタクトを使用していた子どもに比べて、眼軸長の伸びが0.05mm抑えられていたそうです。

このように、バイオレットライトが持つと考えられている近視抑制効果は、これまで子どもに対して有効とされているものでした。しかし、2017年11月の慶應義塾大学医学部の発表(参考:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2017/11/22/171122-1.pdf )によると、強度近視を患う成人患者に対しても、その進行を抑制する効果があることが示唆されています。

バイオレットライトを効果的に浴びるには?

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バイオレットライトを効果的に浴びるためには、1日2時間程度屋外で過ごすこと(くもりの日でもOK)を意識するとよいです。ただし、夕方になるとバイオレットライトがあまり含まれていない光になってしまうので、活動時間帯は午前中がおすすめです。

さらに、部屋の中にいるときはできるだけ窓を開けて、太陽光を取り入れられるようにしましょう。

バイオレットライトは子どもの視力を守り、大人の強度近視を回復する可能性も示されています。

最近では、コンタクトやメガネにもバイオレットライトを透過するものが発売されていますから、紫外線の浴びすぎには気をつけながら、なるべく外に出るようにして、大切な視力を守りたいですね。

▼子どもの目が心配なあなたにオススメの記事はこちら!
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〈参考〉
現代社会に欠如しているバイオレット光が近視進行を抑制することを発見―近視進行抑制に紫の光―|慶應義塾大学
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2016/12/26/161226_2.pdf
バイオレットライトが成人の強度近視患者に対しても近視進行を抑制する可能性を発見― 強度近視による失明予防に一歩前進か ―|慶應義塾大学
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2017/11/22/171122-1.pdf
近視進行を抑制する光!?「バイオレットライト」とは?│こどもの近視情報サイト ME-MAMORU(メマモル)
http://jins-healthcare.com/memamoru/article/3-1.html
紫の光「バイオレットライト」近視の進行が抑制される 慶応大 – エキサイトニュース
https://www.excite.co.jp/News/health/20171122/Hazardlab_22827.html

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