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目の病気

運動をする人には他人事ではない! 痛みなく進行する『網膜剥離』

運動をする人には他人事ではない! 痛みなく進行する『網膜剥離』

目の内部にある「網膜」が剥がれることによって引き起こされる『網膜剥離(もうまくはくり)』

加齢や糖尿病を始めとした内的要因のほか、交通事故や運動時のケガなど、外部から受ける強い衝撃から網膜が剥がれ、症状を引き起こすことも少なくありません。

そこで今回は他人事では片付けられない網膜剥離について、症状から治療法まで、眼科医・岡野先生に聞いてきました!

球技を楽しむ人は要注意!危険度は“球のサイズ”にも左右される

専門家に聞く網膜剥離_02

目に強い衝撃を受け「網膜」が剥がれる『網膜剥離』ですが、「球技」によって引き起こされることも少なくありません。目の付近にボールがぶつかった衝撃により、網膜が剥がれてしまうのです。

なかでも危険度の高い球技として挙げられるのが「バドミントン、テニス、スカッシュ」で、その理由は「使用するボールの大きさ」にあります。どれも手の平に収まるサイズのボールを使用しますが、目の大きさとあまり差がないため、衝撃がダイレクトに伝わってしまうのです。

野球に使用するボールもあまり大きくはありませんが、非常に硬いため、網膜が剥がれる以前に骨が折れてしまい、網膜剥離の危険性は若干低くなるといいます。

つまり、バドミントンのような軽いシャトルを使用するスポーツでも、目に直撃してしまえば、網膜剥離を引き起こす可能性があるというワケです。

衝撃による「網膜」の破れから始まり、失明の恐れもある怖い病

専門家に聞く網膜剥離_03
出典:MAYO CLINIC「Retinal detachment」
(※)Retinal detachment=網膜剥離、Retinal tear=網膜裂孔、Vitreous humor=硝子体

では、『網膜剥離』とは具体的にどのような病気なのか、詳しくみていきましょう。

「網膜」とは見るために取り入れた光を感知する、非常に重要な組織です。眼球の内側を覆うように存在し、内部は「硝子体」というゼリー状の組織に満たされています。

そこに強い衝撃を受けることで、網膜の一部が破れてしまう「網膜裂孔(もうまくれっこう)」が起き、文字通り網膜に穴が開きます。強い衝撃を受けた硝子体は一部液状化し、可動性が増えます。

そして、網膜裂孔から網膜の下に硝子体液(液状化した硝子体)が侵入し、『網膜剥離』になってしまいます。

個人差はありますが、網膜剥離の初期症状として起こるのが、強い光を見ていないにも関わらずチカチカとした光の点滅を感じる「光視症」や、視界に黒い点のようなモノが見える「飛蚊症」です。

光視症は網膜が剥がれるときに起こる衝撃から起こり、飛蚊症は剥離の衝撃から生じた目の内部の出血が、影として映り込むことによって引き起こされます。

さらに進行すると、網膜が剥がれてしまった部分の「視野欠損」が始まります。そして、そのまま放置しておけば、最悪、失明にまで至るのです。

痛みなく進行!とりわけ若い人では眼科医でも診断が困難に!?

しかし、前述の初期症状が現れた場合にも、自覚しづらいのが『網膜剥離』の厄介なところでもあります。

私たちは普段、両目でモノを見ているため、強い衝撃を受けた片目にのみ違和感が生じても、気づかずにやり過ごせてしまうことが少なくありません。また「網膜」には痛覚がないため、痛みを感じることがないのも見過ごしてしまう要因の1つです。

若い人に関しては、より注意が必要です。

眼球の内部を満たす「硝子体」は、加齢によって弾力を失っていきます。卵の白身によく似ていて、新鮮なうち、つまり若いうちは弾力を持っていますが、加齢によって弾力を失っていきます。

加齢によって弾力を失い、もとはゼリー状だった硝子体が液状に近くなっていた場合、より早く網膜の外に漏れ出るため、視野の欠損も早く起こります。しかしゼリー状に保たれている状態では、硝子体そのものが持つ弾力が働き、なかなか漏れ出ません。結果、視野の欠損に至るのも遅く、自覚が遅れてしまうのです。

そのため若い人の場合、1~2か月もの間、自覚なしに過ごしてしまったり、剥離の程度が非常に軽いケースだと、眼科でも見過ごされたりすることも!

実際に、岡野先生が院長を務めるスマイル眼科クリニックでも、ほかの眼科を受診し、3軒目に訪れた先生のクリニックで初めて、『網膜剥離』が認められたというケースもあるそうです。

治療は進行度によって様々!発見が早ければ早いほど治療しやすい

専門家に聞く網膜剥離_04

気になる治療法ですが、軽度の場合には、レーザーで網膜がそれ以上破れないよう堤防を作る「レーザー光凝固」といった治療や、シリコン製の物質で破れた部分を圧迫して力のベクトルを分散させ、それ以上剥がれないようにする「強膜バックリング」といった治療が行われます。これらは比較的難しくない治療法に分類されます。

症状が進行している場合、硝子体によって網膜が牽引されることでそれ以上網膜剥離が進行しないように、硝子体を抜き取り、水や空気など別の物質に入れ替える「硝子体手術」を行う必要があります。これは技術的にも簡単な手術ではなく、費用もけっして安くはないそうです。

治療の難度からして、早期発見が重要となる『網膜剥離』ですが、前述した通り、自覚しづらいのが特徴です。

そのためスポーツ時や軽度の事故、ちょっとしたケンカなど、いずれの場面においても、目の付近に衝撃を受けたなら、「目の腫れが引いたから大丈夫!」と楽観視することなく、眼科を受診することが大切です。

症状が現れてからでは、大好きなスポーツもそれまでのようには続けられなくなる場合もあります。普段から気を付けるようにしたいですね!

▼強い衝撃だけじゃない!「網膜剥離」の原因・関連症状は、コチラもチェック!
目のトラブル~網膜剥離の初期症状、飛蚊症~(ロート製薬 商品情報サイト)
ボクサーだけじゃない!本当は誰でもなる可能性のある『網膜剥離』
浦島太郎は目の病だった?『フォークト―小柳―原田病』という疾患
自覚症状なく進む!失明の恐れもある『糖尿病網膜症』とは?
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取材・文/大谷享子
目ディア

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アイケア

放置すると失明の可能性も…!
目をぶつけたときの正しい応急処置

放置すると失明の可能性も…!<br />目をぶつけたときの正しい応急処置

飛んできたサッカーボールが目に当たった。転倒した際に目を床に打ちつけてしまった…など、日常生活の中で目を打撲するトラブルは意外と多いものです。いざというときに慌てないための、正しい対処法をお届けします。

目をぶつけてしまったら…!!セルフチェックで目の状態を確認!

人間の目は常に露出している状態であり、眼球そのものを守っているのは、まぶたのみです。たとえ目を閉じた状態であっても、強い衝撃を受ければ目は負傷します。
一見症状が軽くても、眼球内で見えないトラブルが起こっている可能性もありますから、外部から目にダメージを受けた場合は眼科の受診が鉄則です。

まずは目を打撲した直後におこなうべき、目のセルフチェック法をご紹介します。

【1】目が開けられるかどうかをチェック!

ゆっくりと目を開いてください。打撲直後は目が開かないかもしれませんが、しばらくして目が開けられれば角膜が受けたダメージは軽いと思って良いでしょう。
時間をおいても痛みが非常に強く、目を開けられない場合は、角膜に傷を負っている可能性大です。

【2】目の見え方をチェック!

ぶつけていないほうの目を手で隠し、見え方を確認してみましょう。

■物がよく見えない/ぼやける
→視力低下の疑いあり!

■視野が狭くなった/視野の一部が欠けている
→視野欠損の疑いあり!

■目の動きに合わせて、虫やゴミのようなものがチラつく
→飛蚊症の疑いあり!

▼「飛蚊症」についてはこちら
目のトラブルについて~飛蚊症~(ロート製薬 商品情報サイト)
目に潜んだ病を告げるサインかも!視界に虫が飛んでいるように見える『飛蚊症』とは?

これらの症状がなく、普段通りに見えていれば、ひとまず安心です。

直ちにおこなうべき目の応急処置&眼科医に伝えるべき6つのポイント

目のセルフチェックを終えたら、次は応急手当に移ります。

■目を打撲した際、目の周りが泥やホコリで汚れている場合

→二次的な感染症を防ぐため、すぐにきれいな水で洗い流しましょう。

蛇口から水を流し、打撲したほうの目を下にして、もう一方の目に入らないように注意しながら1分程度洗い流します。その後、清潔なタオルやガーゼで水滴を軽く拭き取りましょう。眼球に傷ができている可能性もありますから、拭き取る際、こすったり強く押したりしないように!

■目が痛くて開けていられない場合

→清潔なガーゼや眼帯で目を覆いましょう。

目を冷やす必要はありません。ガーゼや眼帯で目を覆い、保護することが大切です。可能ならば、両目を覆い隠しましょう。目の安静が保てます。

応急処置が済んだら、速やかに眼科を受診します。
続いて、眼科を受診する際に医師に伝える6つのポイントをご紹介します。

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【医師に伝えるポイント=打撲時の詳しい状況説明】

①目に当たった物の種類 

例:サッカーボール、ゴルフのクラブなど

②目に当たったときの状況 

例:野球の試合中にピッチャーが投げたボールが目に直撃、など

③目の症状 

例:視力低下、視野の異常、眼痛など

④目を負傷したおおよその時間 

例:今から1時間前に負傷など

⑤目を負傷した際のメガネやコンタクトの有無 
⑥目以外の症状 

例:頭痛や吐き気を伴うなど

この6項目を伝えることで、眼科医は的確な治療を素早くおこなうことができます。
ぜひご活用ください。

目の打撲が緑内障を引き起こすことも…。自覚症状が軽くとも必ず眼科受診を!

最後は目を強く打ってしまった際に起こりやすい、眼球打撲の種類と治療法をご紹介します。

【眼窩底骨折(がんかていこっせつ)】

硬いもので眼球が押されることにより、眼球を支える薄い骨が骨折すること。

<主な治療法>
ごく軽度の骨折は経過観察。軽度から中度は骨の整復手術。重度の場合はプレートを入れたり、骨移植の手術をおこなうことも。

【網膜剥離】

網膜が眼球の内側の壁から剝がれてくる状態のこと。目に強い衝撃が加わることで起こる『外傷性網膜剥離』、外的衝撃によって網膜に孔や裂け目が起こる『裂孔原性(れっこうげんせい)網膜剥離』の2つが代表的。

<主な治療法>
網膜にできた裂け目を塞ぐ場合はレーザー治療。網膜剥離が進行している場合は、剥がれた網膜を元の位置に固定する手術が必要。

【外傷性緑内障】

眼球を強く打ったことにより眼圧が上がり、視力障害や視野欠損を起こすこと。打撲直後ではなく、打撲による出血や腫れが収まったあとに後遺症として現れることがあり、失明に至るケースもあるため、早急な治療が必要。

<主な治療法>
薬物療法で眼圧を下げた上で、レーザー手術をおこなうのが一般的。

▼「緑内障」についてはこちら
目のトラブルについて~緑内障~(ロート製薬 商品情報サイト)
それって『緑内障』かも!うっかりミスが伝える危険のシグナル

眼球は奥行き24ミリメートル程度の非常に小さな器官です。そして、その小さな器官の中には、物を見る上で欠かせない組織が精巧に組み込まれています。
セルフチェックと応急処置が済んだら、速やかに眼科を受診しましょう。


【参考】
目を打撲(ぶつけた)した時の対処法-池袋サンシャイン通り眼科診療所
http://www.ikec.jp/keitai/column64.html
眼を強く打ってしまった – 近藤眼科 八王子 LASIK(レーシック)・白内障手術
http://www.infinity-med.com/71
目の事典・目の外傷
http://www.ocular.net/jiten/jiten023.htm

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