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目の病気

眼科医の視点から知る! 目とも関わりの深い『バセドウ病』

眼科医の視点から知る! 目とも関わりの深い『バセドウ病』

出典:IT’S ALL ABOUT Women『3 Nutrient Deficiencies that Can Make You Sick』

2009年、歌手の絢香さんが、この病気による休業を発表し、世間の関心を集めるこことなった『バセドウ病』ですが、その症状は、目とも深い関わりを持ちます。しかし病名は聞いたことがあっても、詳しい症状については知らない人も多いのではないでしょうか?
そこでは今回は、バセドウ病とは、いったいどんな病気なのか、目にはどんな症状が現れ、どのような治療が行われているのか、眼科医・岡野先生に聞いてきました。

体の正常な働きが攻撃されてしまう『自己免疫疾患』の一種

sore throat, shown red, keep handed

出典:eVaidya『What is Sore Throat? Causes, Symptoms and Treatments』

『バセドウ病』は20〜30代の女性に多く発症し、「甲状腺」に起こる異常から、新陳代謝を活発にさせる「甲状腺ホルモン」が過剰分泌されてしまう病気です。
甲状腺はのど仏の下に位置し、活動するためのエネルギーをつくり出すのに欠かせない器官です。しかしホルモンが過剰分泌を始めると、甲状腺の腫れや頻脈、微熱や多汗、さらには疲れやすくなったり、イライラしやすくなったりなどといった症状が現れます。

なぜ、このような過剰分泌が起こるのでしょうか?

人間には体に有害だと判断された物質を退治する「免疫機能」が備わっていますが、この機能に異常が生じると、体が正常に働くために必要な器官や組織にまで攻撃を始めます。こうした誤作動は『自己免疫疾患』と呼ばれますが、バセドウ病も、この一種です。

理由は完全には解明されていませんが、何らかの理由で体内に甲状腺を攻撃する組織がつくり出され、その刺激により、ホルモンが必要以上に分泌されてしまうのです。

目にも甲状腺に似た細胞が!攻撃による炎症から「眼球突出」に

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出典:Symptoms of Graves’ Disiase

『バセドウ病』を発症すると、前述した甲状腺の腫れや頻脈などのほか、目にも症状が現れます。それが正常な状態よりも目玉が前に飛び出してしまう、「眼球突出」です。
岡野先生が院長を務めるスマイル眼科クリニックでは、非常にまれなケースではあるものの、眼球突出からバセドウ病を疑い、病気が発覚した人がいるそうです。

なぜ、甲状腺異常である病気が目にも影響を及ぼすかというと、目の内部に甲状腺と似た組織があるからだと言われています。

正常な体の器官や組織を攻撃する『自己免疫疾患』によって、甲状腺だけでなく目の内部にも攻撃が及ぶことから、眼球を支えている筋肉が炎症によって腫れたり、眼球の後ろにある脂肪細胞が増えたりします。
すると目の内部にある組織の容積が増えて眼球が収まるだけの隙間が減ってしまい、突出が起こるのです。

見た目の変化だけではない!眼球突出が引き起こす目の症状

バセドウ病_04

見た目に変化を及ぼす「眼球突出」ですが、モノが二重に見えてしまう『複視』も引き起こします。
眼球突出は、大げさに表現すれば、目の内部がパンパンになっている状態です。

私たちは通常、左右の眼球を同じ方向に向ける(=視線を同じ方向に向ける)ことで、像を1つに結んでいますが、目の内部が窮屈な状態だと眼球の動きが制限されてしまい、モノがだぶって見えるのです。

また、目の内部の炎症からまぶたが腫れ、『逆さまつげ』のような状態になったり、眼球突出によって目が閉じにくくなることから『ドライアイ』になったりもします。さらに、目の中にある血管の流れが悪くなり、『充血』を起こしやすくなるなどの症状が現れることもあります。

これらの症状から目が疲れやすくなり、『眼精疲労』が起こりやすくなるのも特徴です。

どのように治療するの?目に現れる症状は目薬による治療が主軸

バセドウ病_05

『バセドウ病』を発症し、目にも症状が現れた場合には、内科と眼科の双方で治療を受けることとなります。内科では甲状腺の異常、眼科では甲状腺異常から引き起こされた疾患の治療を受けるというわけです。

ただし甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑えることが根本的治療となるため、眼科では、目の内部の容積を減らす目薬や、ドライアイを緩和させる目薬など、対処療法が主な治療になると言います。

『バセドウ病』が起こる原因が完全に解明されていない以上、予防するための手立ても明らかになっていないのが現状ですが、一説によれば、喫煙によって発症のリスクが高まると言われています。

バセドウ病に関わらず、タバコが体に与える悪影響は否めません。自身の目のためにも体全体の健康のためにも、極力、控えるようにしましょう。

▼「目にも影響を及ぼす病気」については、コチラの記事もチェック!
アトピー性皮膚炎は目もつらい!?アレルギー反応が引き起こす“目の病気”って?

自覚症状なく進む!失明の恐れもある『糖尿病網膜症』とは?

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取材・文/大谷享子
目ディア

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目の病気

目に潜んだ病を告げるサインかも!視界に虫が飛んでいるように見える『飛蚊症』とは?

目に潜んだ病を告げるサインかも!視界に虫が飛んでいるように見える『飛蚊症』とは?

『飛蚊症』とは、読んで字のごとく、蚊が飛んでいるように見える症状。しかし痛みもなければ、外傷も見られない……。
だからって「うっとうしいけど、そのうち慣れるでしょ?」なんて絶対禁物!

どうして放置してはいけないのか、そもそも原因は何なのか。
眼科医・岡野先生が詳しく易しく、『飛蚊症』のアレコレをひも解きます。

『飛蚊症』を理解するヒント!立ちくらみと同時に目がチカチカ!

蚊が飛んでいるように見える症状と書いて、『飛蚊症(ひぶんしょう)』
この症状をご存じでなくとも、例えば、立ちくらみと同時に、視界にチカチカと光のようなものが見えた経験はありませんか?

『飛蚊症』の仲間で、『光視症(こうししょう)』と呼ばれる症状ですが、立ちくらみと同時に起こる場合、一時的な血圧低下が、原因として考えられます。
目の内部にも血管が走っていますから、急激な血圧低下による血管の動きや衝撃が、光として映し出されるのです。

『飛蚊症』も同じく、目の内部で起こっている現象が、視界に映し出される症状。
しかし全部が全部、病気というワケではありません。

多くの場合は老化が原因!老化の進行が“影”として視界に映る

目の内部は「硝子体(しょうしたい)」と呼ばれる、タンパク質を主成分とした組織で満たされています。
同じくタンパク質を主成分とする、卵の白身を思い浮かべてみてください。新鮮なものであれば、プルプルと張りがありますが、日にちが経つとベチャッと水っぽくなるでしょう?
これは鮮度が失われるにつれ、固形の成分と水質性の成分が、分離することで起こります。

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出典:スマイル眼科クリニック「飛蚊症とは?」

「硝子体」も同様、老化によって固形成分と水分質の分離が進みます。すると、水分質の抜けた「硝子体」は、乾燥させたブドウのようにシワシワと縮んでしまうのです。

「硝子体」は、「網膜」に張り付く形で存在していますが、水分質の減少によって縮む、つまりサイズが小さくなると、密接していた「網膜」から、剥がれていくのです。
この剥がれていくときの動きや衝撃、またシワシワとした影が、虫状だったりゴミ状だったりと、形として映り込むのが『飛蚊症』です。

老化ならば仕方ないけれど……。病を知らせるサインの可能性も!

そう、『飛蚊症』は、老化によって、誰にでも発症するのです。老化が原因の場合、目の機能が衰え始める、40歳過ぎからの発症が多いでしょうか。
肌の老化であれば、クリームを塗ることで進行が抑えられますが、目の内部とあれば話は別。放っておくしかありません。

また「硝子体」の収縮、つまりサイズダウンが進行すれば、徐々に視界に映り込む範囲から逃れていき、むしろ気にならなくなるケースも多々あります。

ただし、眼科を受診せずに放っておくのは、いけません。
『飛蚊症』そのものは一つの症状に過ぎませんが、その裏に、失明にもつながる病が隠れていることがあるからです。

『飛蚊症』を引き起こす三大疾患!中には失明の危険を伴う病気も

1.網膜裂孔(もうまくれっこう)・網膜剥離(もうまくはくり)

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出典:スマイル眼科クリニック「飛蚊症とは?」

先ほどもお話しした通り、「硝子体」は本来、「網膜」に張り付く形で存在しています。
これが加齢による収縮で剥がれていくのですが、剥がれていく際、その衝撃で「網膜」が破れたり、穴が空いてしまうのが『網膜裂孔』、「硝子体」と一緒に「網膜」まで剥がれてしまうのが『網膜剥離』です。

『網膜裂孔』では、破れた部分が、影として視界に映り込みます。さらに『網膜剥離』の場合、進行すると、視界の下から影がせり上がるように見え、「もはや視界の数分の一が見えない!」といった症状を引き起こします。

「網膜」とは、光として取り入れた情報を電気信号に変えて脳に伝達する、非常に重要な器官。これが剥がれたまま放置しておけば、最悪、失明の危険さえある怖い病気です。

2.硝子体出血(しょうしたいしゅっけつ)

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出典:スマイル眼科クリニック「飛蚊症とは?」

読んで字のごとく、「硝子体」から出血する病気です。
原因は糖尿病や高血圧によって血管が切れてしまったり、外傷などによって出血したり。この血液が「硝子体」の内部に入ると、血の影が映り込み、まるでハケで絵の具を飛び散らせたように見えることがあります。

出血量が少なければ、ひざの傷が次第にかさぶたとなって治ることと同じように、自然治癒も期待できますが、出血が多い場合には手術が必要です。
また、原因として挙げた通り、糖尿病や高血圧に起因していることも少なくないので、こうした病を早期発見するためにも、やはり眼科の受診が大切です。

3.ぶどう膜炎

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出典:スマイル眼科クリニック「飛蚊症とは?」

「ぶどう膜」とは、「虹彩・毛様体・脈絡膜」という3つの組織をまとめた呼び方。ここに細菌やウイルスが侵入したり、目のアレルギー反応によって炎症が起こると、血管の内部にある成分が「硝子体」にまで入り込み、影として映り込みます。

この「ぶどう膜」も硝子体同様、目の重要な器官である「網膜」と密接しているため、炎症が起これば、視力低下に直結し、失明の危険があります。
細菌やウイルスによって起こるということもあり、プールや海でのレジャーなどで、目に汚れが入りやすい夏の時期、とくに注意が必要です。

以上、『飛蚊症』を引き起こす、代表的な病気を挙げましたが、とにかく、症状を感じたら、まずは眼科へ。
たとえ、老化が原因の症状であっても、病気でないと分かるだけで、気持ちもホッと軽くなるはずです。

▼詳しくは、こちらもチェック!
目のトラブルについて~飛蚊症~(ロート製薬 商品情報サイト)

『加齢黄斑変性症』セルフチェック

欧米では成人の失明原因第一位となっており、日本でも中高年に増加中の「加齢黄斑変性症」という病気をご存じでしょうか?
下の画像は『アムスラーチャートテスト』という「加齢黄斑変性症」の発見に使われるものです。
どのように見えていますか?見え方をチェックしてみましょう。

アムスラーチャートテスト"
診断結果はこちらへ

セルフチェックの結果、「加齢黄斑変性症」の可能性が疑われた方は、眼科の受診をおすすめします。

取材・文/大谷享子
目ディア

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