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視線を急に移しても景色がブレないのはなぜ?ヒミツは脳の「サッカード抑制」にあった!

視線を急に移しても景色がブレないのはなぜ?ヒミツは脳の「サッカード抑制」にあった!

スマホやPCでこの文章を読んでいるときも、あなたの目は細かく上下・左右に動いています。でも、そうやってパパッとすばやく視線を移しているとき、途中途中のブレた映像は見えていませんよね?不思議ではありませんか?

秘密は、脳のはたらきにありました。今回は、そんな不思議を解明してくれる「サッカード抑制」についてご紹介します!

視線を「パッ」と移すと何が見える?

サッカード_02

この文章をスマホで読んでいるなら、画面からパッと視線を上げて別の場所を見てみてください。何が見えますか?電車内で向かいに座っている人の顔かもしれないし、トイレの壁かもしれません。何にせよ、瞬間的に視線を移している「途中」の、「動いている=ブレている」映像は見えていませんよね?

私たちは日常、こうした「急な視線の切り替え」を常におこなっています。そのつど、「途中」のブレた映像が見えていたらどうなるでしょうか?…想像しただけでも、目がまわってしまいそうですよね。

このように、視線を急に移してもブレた映像を認識せずに済んでいるのは、脳のはたらきのおかげです。詳しく見ていきましょう。

視覚に関する重要な運動=サッカードって?

サッカード_03

まず、視線をパッと移すときに、目はどんな動きをしているか知っておきましょう。

ある点から別の点へ視点を移動させるとき、眼球は急速に回転しています。これを「急速眼球運動=サッカード」といいます。

ただし、この「サッカード」は、日常的な目の筋肉の動きいえばほんの一部です。起きているあいだ、私たちの視点の80%はどこかに定まっているとされています。

視点が定まっているあいだも、実は無意識のうちに、私たちの目の筋肉はものすごく微細な動きを常におこなっているそうです。その微細な動きのなかでも最も大きな幅の動きを、「マイクロサッカード」といいます。このマイクロサッカードのはたらきのおかげで、私たちは静止した映像も視界から消えずに認識できるとされています。

なぜ急に視線を移しても景色はブレないの?

サッカード_04

それでは、なぜ視線を急に移したとき、移しているあいだのブレた映像や景色は「見えない」のでしょうか?

2013年に東北大学大学院医学系研究科の植松貢講師、ウエイン州立大学ミシガン小児病院小児神経科の浅野英司准教授らの日米共同研究グループが発表した内容によると、これには「サッカード抑制」という脳のはたらきが影響しているそうです。

脳のなかでもとくに「後頭葉視覚中枢」という場所が重要で、視線をパッと移すとき、この部分の神経活動が抑制されます。さらに、抑制された直後、また急速に興奮します。こうして、後頭葉視覚中枢において神経の抑制と興奮を目まぐるしく繰り返すことで、私たちの視覚はブレずに安定しているのだそうです。

植松講師、浅野准教授らはこの「サッカード抑制」を車の運転に例えて、次のように説明しています。

“例えるならば、10分の1秒単位でアクセルとブレーキを同時に使いこなし、よどみなく自動車を走らせるような技術を、我々の大脳の視覚野が自然に持っている、ということができる。”

引用元:なぜ目を動かしても視覚イメージはぶれないのか|東北大学大学院医学系研究科

無意識のうちに、私たちの脳はこんなに目まぐるしくはたらいてくれているんですね!

今回は、視線の移動にまつわる「サッカード抑制」についてご紹介しました。いかがでしたか?

脳についてはまだまだ知られていないことのほうが多いです。研究が進めば、視覚との関係についても今後さまざまな事実が明らかになってくるでしょう。楽しみですね!

▼物がぼやけて見える…なんてときは、目が疲れているのかも?
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▼脳のフシギと視覚の関係についてはこんな記事も!
耳で「見る」、手で「読む」!?目の見えない人に学ぶ、私たちの脳のフシギ
なぜ人は「視線」を感じるのか? 脳がおよぼす奇妙な錯覚

【参考】
眼球運動の不思議 目の動きから心が見える|日経サイエンス
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0711/200711_020.html
なぜ目を動かしても視覚イメージはぶれないのか|東北大学大学院医学系研究科
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20130626_01.pdf

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誰もが知っている“あの図形”!目の錯覚は、なぜ起こるの?

eye-brain_02

出典:Wikipedia−フランツ・カール・ミュラー・リヤー

この3つの図形のうち、水平線がもっとも長いのは、どれでしょう?
すでに答えをご存じの方も多いでしょう。そう、「長さはすべて同じ」が正解です。

「目の錯覚」にまつわる図形として、あまりにも有名。実際は同じ長さなのに、両端から伸びる矢羽根が外側に開いている図形のほうが、水平線が長く見えます。
これは『ミュラー・リヤー錯視』と呼ばれ、ドイツの心理学者・ミュラー・リヤーが、目の働きが解明されるより前、120年以上も昔に発表したものです。

錯覚は脳の仕業!?見るという行為は、目だけの働きにあらず

同じ長さの水平線が、なぜ違った長さに見えるのか?
心理学の観点から、今でも多くの研究や議論がなされているようですが、眼科医の観点から言えば、脳の働きに起因しています。

私たちは目で見ています。
しかし「見る」という行為は、目の働きのみで完結するものではありません。
目でとらえた情報が脳に伝わり、脳が処理をすることで「これは円形」「これは鉛筆」というように、形としてモノとして、認識することができます。
では、「目の錯覚」として有名なこの図形を見るとき、脳は、どのように働いているのでしょう?

なぜ長さが違って見えるのか?解明のヒントは“磁力線”!

eye-brain_03

出典:弧理論(Ark Theory) 解説ブログ (旧 弧電磁気論)−そもそも単極誘導は理解されていないのではないか

理科の授業で、磁石と砂鉄を使った実験をしたことがありますよね?
砂鉄の中に磁石を置くと、磁力の流れに沿って線が浮かび上がります。この磁力線が、目が錯覚を起こすワケを解き明かしてくれます。

『ミュラー・リヤー錯視』の図形を、磁力線に置き換えて考えてみましょう。
矢羽根が内側に閉じている図形を見るとき、脳は磁石のN極からS極を結ぶ曲線(=A)をイメージし、逆に矢羽根が外側に開いた図形を見るときは、磁石の両端から外側に伸びていく線(=B)をイメージします。

eye-brain_04

出典:TutorVista.com−Mapping of Magnetic Lines of Force

そこで「両端を結ぶ閉じた線=短い」「両端から外に広がる線=長い」と脳が認識し、同じ長さなのに、違った長さに見えてしまうのです。

気持ち次第でよく見える!?“脳で見ている”を解き明かす

eye-brain_05

脳が引き起こす驚くべき現象を、もうひとつ。
上の画像、全体的にぼやけていて、見ていて気持ちが悪いでしょう?
けれど「気持ち悪い、見づらい」という認識を捨ててください。
そして片目を閉じて利き目だけで、一番ハッキリと読み取れる、中央の「類を」という文字のあたりをジッと見つめてみてください。

どうでしょう?徐々に徐々に、ぼやけが解かれ、見える(読める)範囲が広がっていくはずです。
そして「意外と見えるかも?」と思えたら、今度は両目で見てみてください。
最初に見たときの「見えない」という印象が変わるはずです。

この現象こそ、まさしく「目で見ている」のではなく、「脳で見ている」証拠。
目という器官は、実は、そこまで性能がいいものではありません。ぼやけた文字は、ぼやけた文字としてしか認識できず、それを補うほどの機能を持ち合わせていないのです。
しかし、“気持ち”=“脳”から「見えない」という決めつけを捨て去ると、脳が「見えるように」文字のぼやけを修正し始めるのです。

「見える!」と思えば、瞬時に視力までUPする!?

『ミュラー・リヤー錯視』を例にした目の錯覚も、ぼやけている文字が読めるというポジティブな現象も、すべて脳の働きによるもの。
また、私たち霊長類よりも目の機能が劣っているとされる鳥類が、遠くにいる獲物を見つけ、瞬時にして捕らえられるのも、脳のおかげです。
目の機能のみでは、瞬時に捕らえられるほどハッキリ見えていなくても、「獲物を捕らえなければ!」という脳の指令が、それを可能にしてくれるのです。

事実、人間における視力検査の場面でも、気の持ちようで、0.6〜1.2くらいまでは、一瞬にして変わってしまうことがよくあります。
それほど目の働きは、脳の影響下にあるのです。

【参考】
株式会社ニデック−目のおはなし−Vol.14 目の錯覚の不思議https://www.nidek.co.jp/eyestory/eye_14.html

取材・文/大谷享子
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