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作法を知ってこその縁起物! あなたは知ってる?「だるまの目の入れ方」

作法を知ってこその縁起物! あなたは知ってる?「だるまの目の入れ方」

年も明け、「だるま市」の盛況がニュースを賑わす時期となりました。「だるま市」は、1月2~3日に開催された東京都昭島市の拝島大師を皮切りに、年明けから3月初旬におこなわれることが多くなっています。
白いまま残された目の片方に黒目を書き入れ、願をかける縁起物として、お馴染みの「だるま」ですが、左目に入れるべきか、それとも右目か、いざ聞かれると迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、縁起物といわれるワケから気になる目の入れ方まで、だるまのアレコレに迫ります!

写真を見れば思わず納得!「だるま」のモデルと伝わる人物とは?

だるま_02
出典:Daruma San in Japan, Japanese Art and Culture (01)『Karatsu Pottery』

実は「だるま」には、モデルとなった人物がいます。その名も「達磨大師(だるまだいし)」。名前もそのまま引き継いでいるワケですが、インドに生まれた仏教の一派である「禅宗」を、初めて中国に伝えた人物です。
禅宗とは「座禅」を修行の基本とする宗派ですが、だるまの丸々としたシルエットは、達磨大師が寒さをしのぐために布団をかぶり、座禅にいそしむ姿がモチーフになっていると伝えられています。だるまの勇ましい顔を覆う赤色は、布団だったのです。
しかし達磨大師がインドから中国に渡ったとされるのは、5~6世紀頃のこと。語録や木像などが多く残されてはいますが、実在していたのか、それとも伝説の人物にすぎないのか、今も謎のままです。

かつて「だるま」は黄色だった! “赤色”に変わった理由とは?

達磨大師が実在したか否か、真相は明らかではありませんが、禅宗はやがて日本へも上陸することとなります。禅宗が伝わったのは鎌倉時代ですが、後を追うように「だるま」も伝来し、江戸時代に長崎の寺院で見られた座禅姿の置物が、日本における「だるま」の起源だと言われています。
しかし長崎に伝来した当時のだるまには、シンボルカラーともいうべき赤色は見られず、黄色に塗られていたといいます。どうして最初は黄色だっただるまが、赤へと変わっていったのでしょうか?
理由は諸説ありますが、一説には、赤色は魔よけの力をもち、かつて“不治の病”として恐れられていた『天然痘(てんねんとう)』を避けると信じられていたからとだ伝わっています。当時の人々は、ありたがい教えを説いた達磨大師の姿に救いを求め、さらに魔よけの赤をまとわせたのかもしれません。

天然痘の流行とも無関係ではなかった!?「目入れ」に込められた願い

だるま_03

実は天然痘の流行が、「だるま」に黒目を入れて縁起をかつぐ「目入れ」の起源となったという説もあります。
天然痘は、失明を引き起こす病。この病気が流行った当時、「子どもが失明しないように」と願をかける親たちのあいだでは、しっかりと目が描かれただるまが飛ぶように売れたそうです。しかし商売上手とは、いつの時代もいるもの。「それなら最初から目は描かず、客の前でとびきり、いい目を入れてやろう!」という商人の目論見が当たり、黒目の入っていない、だるまが主流になったというのです。

「目入れ」の起源については諸説あり、天然痘起源説はその中の1つにすぎませんが、だるまは、あらゆる願いを叶える縁起物として、今にも続いています。魔よけの赤に不屈の「七転び八起き」に通じるシルエット、目入れについては「目を入れる=目が出る=おめでたい」と、語呂合わせから縁起をかつぐ意味も込められています。

いよいよ実践!「だるまの目入れ」は左から右から?

さて、「だるま」のルーツを知ったところで、お次は実践編です!
白く残された目のうち、まずは片方に黒目を書き入れ、願いが成就したのちに、もう片方に黒目を書き入れるのが一般的な作法ですが、最初に左目に書き入れるべきか、右目に書き入れるべきか、縁起をかつぐものだけに、しっかり作法をしっておきたいところですよね。

しかし実は、目入れの方法に1つの正解はありません。あらゆる風習がそうであるように、日本各地で違いが見られます。重さ3トンにもなる達磨大師の像が安置されている静岡県伊豆市の「土肥達磨寺」では、商売繁盛や学業成就は「最初に右目、願いが叶ったら左目」、病気平癒や良縁祈願は「最初から両目」といったように、願い事によって作法が異なるそうです。

とは言え、「最初に左目、願いが成就したら右目」が一般的

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ただ、だるまの生産量日本一を誇る群馬県高崎市に伝わる風習を始め、「まず左目(向かって右側の目)に書き入れ、願いが叶ったら右目に書き入れる」というのが一般的です。
高崎市に伝わる風習によれば、その理由は「右に出る者はいない」という言葉があるように、「左側が上位」という日本古来の教えに基づくようです。しかしながら順序に絶対的な決まりはなく、「目を書き入れる」という行為そのものが重要となります。目入れは「心の目を開眼させた」ことの表現であり、願いに向けた強い意志を表すからです。

いずれにせよ、目入れをする際には心を静め、願いを込めながら書き入れること。そして、願いが成就したかしないかに関わらず、1年経ったら、買い求めた寺社などに納めることが作法となります。
さらにもう1つ、選挙での必勝を願う場合、一般的な作法とは反対に「まず右目から」書き入れることが多いようですが、これは「選挙事務所に集う支援者やテレビニュースを見る聴衆の目線に合わせ、左右を逆にしている」というのが濃厚な説のようです。

だるまの目ひとつとっても、これだけの歴史があるのは面白いですね! この時期は、春に向けて高校・大学の受験などを控えている方も多いはず。だるまに目を入れられるよう、がんばってくださいね!

▼目にまつわる「伝説」については、コチラの記事もオススメ!
トルコ旅行で一番人気のお土産 青い目玉『ナザール・ボンジュウ』とは?

「目からウロコ」の語源は『聖書』 その言葉どおりの生態を持つ生物もいた!


【参考】
公式サイト・曹洞禅ネット『達磨忌』
http://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/annual/darumaki
駅前北村眼科『院長の小話|No.16 七転び八起き、だるまのお話』
http://www.kitamuraganka.com/index.php?catid=5&itemid=29
この世の掟.com『だるまの目入れの左右の順』
http://okiteweb.com/tradition/daruma.html
城山八幡宮『ダルマの目はどちらから?ダルマの点睛』
http://www.shiroyama.or.jp/kotozuke/darumanome.html
群馬県達磨製造共同組合『高崎だるまQ&A』
http://takasakidaruma.net/qa.html
相州平塚だるま市場 だるま壱『だるまの目の入れ方』
http://www.daruma1.com/wish.html
宮川仏具店『[ 光達磨 ] 達磨の目はどちらに入れる』
http://www.miyagawa.com/dictionary/2012/04/post-74.html

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“目の色”が違えば“見える色”も違う!?
眼科医が教える目の不思議

“目の色”が違えば“見える色”も違う!?<br />眼科医が教える目の不思議

黒い瞳と青い瞳……。
瞳の色は、顔の印象を大きく左右しますが、その違いって、外側から見える色だけ?
瞳の色が違うなら、見える色も違ってくるのではないか?
素朴な疑問を眼科医・岡野先生にぶつけてみると、納得!の答えが見えてきました。

見え方の違いに迫る第一歩!そのカギを握るのが「眩しさ」

ラグビーワールドカップの真っ最中。
プレイを見ていると、目の下に黒いシールを貼って挑む、白人選手に気がつきます。
これは「アイブラック(Eye Black)」などと呼ばれ、日本人選手がつけていることもありますが、とりわけ欧米人選手に多く見られるのは、「アイブラック」が、眩しさを軽減させるアイテムだからです。

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出典:Wikipedia−『Eye black』

サングラスを例にしても、日本人に比べ、欧米人のほうが、圧倒的に利用率が高い。
日本人の場合、ファッション目的のためにサングラスを掛ける人が少なくありませんが、欧米人は、日差しが降り注ぐ炎天下にサングラスなしでは、眩しくて仕方がないのです。

目の色を決めるのは「虹彩」に含まれる色素量!多いほど黒みが強い

眩しさは言うまでもなく、目から伝わる刺激において、日本人と欧米人との間に感じ方の差が生じるワケは、目の色の違いにあります。

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出典:Wikipedia−『虹彩』

目の色はそもそも、目の内部にある「虹彩」という組織の色で決まります。
虹彩に含まれるメラニン色素の量が多ければ多いほど、黒みを帯びた色となるため、欧米人に多い青や緑色の瞳に比べ、日本人に多い黒みの強い瞳のほうが、色素量が多いことになります。
この虹彩、目に入ってくる光の量を調整する役目を担っていますが、黒みが強いほうが光を通しづらいという特徴があるため、日本人のほうが、眩しさに強いのです。

例の画像を見れば納得!光の調節量が違えば、見える“色”も違ってくる

さて、「目の色の違い」と「感じる眩しさの違い」についてお話ししましたが、感じる眩しさが違えば、見え方にも多少、違いが生じます。

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出典:WIRED−THE SCIENCE OF WHY NO ONE AGREES ON THE COLOR OF THIS DRESS

少し前にネットで話題となり、この『目ディア』でも取り上げた画像。
これは脳のバイアスによって、色の見え方が異なるといったカラクリですが、画像の明度を変えてみると、実際の色も変わっていきます。
前述の通り、目の色を決める虹彩は、光の量を調整する組織ですから、目の色の違いによって内部に入ってくる光の量が変われば、見える色が若干、異なったとしても不思議はないのです。

ISOの実験で明らかに?青い瞳のほうが、赤い色をよく見分ける!?

もう一つ、虹彩による光の調節量とは別に、虹彩の色=目の色そのものが、見え方を左右させるといった説があります。
多くの分野において、国際的な標準規格を定める国際標準化機構(ISO)がおこなった実験によれば、「黒い目よりも青い目の方が、赤い色については、4倍の色素視感力があるらしい」という結果が出たと言うのです。

語尾の「らしい」が示す通り、その理由は、はっきり解明されていません。
岡野先生は、虹彩の色そのものが、一種の“色メガネ”のような役割を果たしているのではないか?と推察しているそう。

青い瞳=青い虹彩を持つ人は、青いサングラスをして世界を見ている!?

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“色メガネ”と言っても、慣用句の話ではありません。
例えば、黄色い色をしたサングラスをかけて世界を見ると、黄色いモノや、何色にも染まることができる白いモノは、サングラス通りに黄色く見える一方、赤や青の色みを持つモノのほうが、かえって際立って見えます。

つまり国際標準化機構の言う、「青い瞳のほうが、赤い色について、4倍の色素視感力がある」というのは、青い色のサングラスをかけて世界を見ている状態。
大げさに言ってしまえば、虹彩の色と同化する青とは別の色、すなわち赤い色が、際立って見えているということではないか?という推察です。

ただ、目に見えている色は、見ている“その人自身”にしかわかりません。
同じ瞳の色を持つ日本人同士であっても、信号機の横断OKを示す色を「青!」と言う人がいたり、「緑!」と言う人がいたりと個人差があるのと一緒。
見る人によって、感覚や表現に違いがあるため、そもそも「この色は何色なのか」、一つの答えなんて存在しないのです。

▼日本人と欧米人の目の違いについてはこちら
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うさぎの目はなぜ赤い? 日本人の目は焦げ茶が多い? 瞳の色の違いには理由があった!
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▼目の錯覚による見える色の違いについてはこちら
同じ色なのに違って見える!? 驚きの錯視と色の世界
モノクロ写真がカラーに見える!? 残像を利用した『色錯覚』動画がおもしろい!

▼目の色を変えるといえば「カラコン」!正しく利用できていますか?
知らないと怖い!カラーコンタクトレンズとの正しい付き合い方(ロート製薬 商品情報サイト)

取材・文/大谷享子
目ディア

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